『だが、情熱はある』髙橋海人と森本慎太郎が体現する宿命 “たりないふたり”誕生の瞬間が

『だが、情熱はある』“たりないふたり”誕生

 ついに、“たりないふたり”誕生の瞬間が描かれた第10話。私からすれば、まわりの力を引き出してあげるのも才能だし、あれだけすごい漫才を生み出せるのも才能だし……なんなら、「たりまくってるじゃん!」と思ってしまうが、“じゃない方”のように映ることに葛藤を抱くのも分かる。これは、“圧倒的光”を相方に持ってしまった宿命なのかもしれない。

 プロデューサーの島(薬師丸ひろ子)に、「どんな人に憧れる?」と聞かれた時、若林と山里は相方のことを語っていた。「毎日を楽しんで生きている人」と答えた若林は、おそらく春日を思い浮かべながらしゃべっていたはず。「ねたみも、嫉妬も、そんなことを思うことなく、ぶっち切りで存在できる天才に憧れます」と言った山里は、「しずちゃんのことじゃない!」と否定するかもしれないが、明らかにしずちゃんへの思いが込められている。

 誰かに人生を預けるって、すごい覚悟が必要だ。そういった点では、コンビを組むのは結婚に近いのかもしれない。もしもどちらかがオールを漕げなくなったら、その船は沈んでしまう。それでもいいと思えるほどに魅力を感じたからコンビを組んだのに、今はその魅力がまぶしすぎて悔しくなる。

「人がね、本気で悔しかったり、惨めだったりする話って、おもしろいんだよ」

 同じような悩みを抱えている若林と山里が巡り合い、同じ熱量で笑いに向き合っていく。そして、真剣に笑いを突き詰めてきた2人が、“なにもの”かになる姿が、はやく見たい。そうすれば、努力は必ず報われるわけじゃないけど……努力するのも悪くないかもしれないなと思える気がするから。

■放送情報
日曜ドラマ『だが、情熱はある』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜放送
出演:髙橋海人(King & Prince)、森本慎太郎(SixTONES)、戸塚純貴、富田望生、三宅弘城、池津祥子、ヒコロヒー、渋谷凪咲(NMB48)、中田青渚、箭内夢菜、森本晋太郎(トンツカタン)、加賀翔(かが屋)、賀屋壮也(かが屋)、藤井隆、坂井真紀、白石加代子、光石研、薬師丸ひろ子
脚本:今井太郎
演出:狩山俊輔、伊藤彰記
プロデューサー:河野英裕、長田宙、阿利極
チーフプロデューサー:石尾純
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/daga-jyounetsu/
公式Twitter:@daga_jyounetsu

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