『らんまん』浜辺美波が夢中になる『里見八犬伝』とは? 今なお愛される王道ストーリー
こんな作品が映像化や舞台化に向かないはずがない。読本としても人気作品であった『南総里見八犬伝』は、刊行中からすでに歌舞伎の演目になった。近年では、2006年に滝沢秀明主演の『里見八犬伝』(TBS系)が放送されている。この時の八犬士の中には、佐藤隆太、小澤征悦、勝地涼など今も第一線で活躍している俳優陣が名を連ねている。また、直接の映像化だけではなく、『南総里見八犬伝』から登場人物の名やモチーフを借用した作品も多い。細田守が監督を務め、最近では劇団四季によって舞台化もされたアニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』(2012年)は「おおかみこども」である雪と雨の両親が八房と伏姫をモチーフにしているという説があり、信乃や荘子、文子、毛野という雪の友人は八犬士を連想する名前になっている。
寿恵子は万太郎から牡丹の花のスケッチをもらって、「牡丹の花を授けられた者は見知らぬ旅に出る」と一念発起して鹿鳴館でダンスを習い始めた。読本に影響されて人生が変わった瞬間である。ひとりの人生だけではなく、時代を超えて、さまざまな作品に大きな影響を与えている『南総里見八犬伝』。これを機会に、歌舞伎、映画、舞台など、なんらかの形で触れてみるのも楽しいかもしれない。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、広末涼子、松坂慶子ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK