『だが、情熱はある』富田望生がハマり役過ぎる しずちゃんをリアルに再現できた理由

『だが、情熱はある』富田望生がハマり役

 『だが、情熱はある』では、一言発するだけで南海キャンディーズのしずちゃんこと山崎静代を思わせる演技を見せている。独特の間、コント中のふてぶてしいシニカルな表情、ゆったりとした喋りなど、しずちゃんの独特な感性と雰囲気を完コピしている。演技ではカバーしきれない、しずちゃん182cm、富田152cmという30cmの身長差も、しずちゃんになり切った演技をしているので実際よりも大きく見えてしまうところも話題となっている。

 しずちゃんは常にローテンションで、感情が読めないからこそ、ボソッと言うひとことや、突如軸のぶれない激しい動きをする面白さがある。前述したように、富田は心の感情を視聴者に感じさせる演技が得意だが、山ちゃんがしずちゃんの情報を知ろうとストーカーのように気持ち悪い距離感で近づいき、ローテンションで無表情ながらも「うわっキモ!」という感情や、告白されるのではないかという時の恐怖など、今作では最小限に表の感情を削ぎ落とした、富田にしかできない至高の感情演技を見せている。

 驚いたのが、南海キャンディーズ結成のシーンでの富田演じるしずちゃんが本当に愛おしく、完全にヒロインを感じさせる雰囲気を醸し出していること。感情がないようで、実は一生懸命で情に熱いところがそうさせるのか。これは、今までの富田が演じた役にはあまり感じなかったヒロイン感だ。これまでの役は富田自身のキャラが求められてきたものだが、今作に求められるのは“富田が”というより、しずちゃんそのもの。そうした違いがあるのかも知れない。

 南海キャンディーズが結成したことにより、これからは山ちゃんの相棒となる。つまり、富田が得意な主人公の友達ポジションだ。ただ厳密に言えば対等な仕事仲間なので、これもまた、今までの富田が演じた距離感と違うものが見られるかもしれない。山ちゃんすぎる森本とのコンビがどんな化学反応を見せるのか? というより、南海キャンディーズそのものになると思うが、これまで富田が演じた役の応用編と言えるしずちゃん役の妙技をじっくりと味わいたい。

■放送情報
日曜ドラマ『だが、情熱はある』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜放送
出演:髙橋海人(King & Prince)、森本慎太郎(SixTONES)、戸塚純貴、富田望生、三宅弘城、池津祥子、ヒコロヒー、渋谷凪咲(NMB48)、中田青渚、箭内夢菜、森本晋太郎(トンツカタン)、加賀翔(かが屋)、賀屋壮也(かが屋)、藤井隆、坂井真紀、白石加代子、光石研、薬師丸ひろ子
脚本:今井太郎
演出:狩山俊輔、伊藤彰記
プロデューサー:河野英裕、長田宙、阿利極
チーフプロデューサー:石尾純
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/daga-jyounetsu/
公式Twitter:@daga_jyounetsu

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