『べらぼう』森下佳子はどんな“蔦重”の物語を描くのか? 横浜流星の持ち味が活きる人柄
現代から幕末へタイムスリップした医師の活躍を描いた『JIN-仁-』(2009年・2011年/TBS系)や、歴史上、男性であった人物が女性に、女性であった人物が男性に置き換えられ、“男女逆転”している『大奥』などの脚本を手がけてきた森下と江戸時代という舞台の相性は抜群だ。また、森下の脚本の特徴は重厚な人間ドラマが描かれることにある。『おんな城主 直虎』は男性中心の武士の世界で女領主として奮闘した井伊直虎(柴咲コウ)が主人公。直虎は男性から反感を買って何かと妨害を受けたり、逆に心が通い合っている男性がいるのに城主という立場上、受け入れることができなかったりと、民を守る責任と自分の気持ちとの狭間で揺れ動いていく。その心情と周りの様子が細やかに描かれ、直虎の決断、一つひとつに視聴者である私たちも心が大きく動かされた。
森下によれば、今作『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』の主人公・蔦重の第一印象は「面白いおっちゃん」だという。さらに多くの本の企画から携わっていることから、蔦重にはプロデューサー的側面や手堅いビジネスマン的な側面もあることが考えられるだろう。誰もやったことがないことに挑んでいく蔦重を森下がどのようなキャラクターとして描いていくのか。そしてそれを横浜がどのように演じていくのか。まだまだわからないことも多い分、続報も含めてこれからがとても楽しみである。
横浜流星「エンタメがなぜ必要なのか再確認できる1作に」 『べらぼう』主演としての決意
2025年NHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』の記者会見が4月27日にNHKで行われ、主演の横浜流星、脚本の森下佳子が…
■放送情報
大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』
NHK総合にて、2025年放送
主演:横浜流星
脚本:森下佳子
制作統括:藤並英樹
プロデューサー:石村将太、松田恭典
演出:大原拓