『べらぼう』森下佳子はどんな“蔦重”の物語を描くのか? 横浜流星の持ち味が活きる人柄

横浜流星主演『べらぼう』への期待

 2025年のNHK大河ドラマが『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』となることが発表された。主演を横浜流星が、脚本をNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』、NHKドラマ10『大奥』などを手がけた森下佳子が務める。

横浜流星、2025年大河ドラマ『べらぼう』蔦屋重三郎役で主演 脚本は森下佳子が担当

2025年NHK大河ドラマのタイトルが『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』に決定し、主演を横浜流星、脚本を森下佳子が務めることが発表さ…

 描かれるのは江戸時代に、主に浮世絵の出版元となる版元を生業としていた“蔦重”こと蔦屋重三郎の生涯。蔦重は喜多川歌麿、葛飾北斎、滝沢馬琴といった、今では歴史の教科書でも名前を見るほど有名な浮世絵師たちを見出し、世に送り出した人物と言われている。のちに浮世絵だけではなく、絵入り娯楽本のひとつである黄表紙や遊郭での遊客や遊女の様子を、会話を主としてまとめた洒落本として出版するなど数多くの出版物を手がけ、江戸の“メディア”に深く関わっている。現在、書店大手企業の1つである「TSUTAYA」は社名の由来のひとつとして、蔦重の功績にあやかったといわれている。

 主演の横浜は、2012年に『仮面ライダーフォーゼ』(テレビ朝日系)で吉沢亮演じる朔田流星の親友・井石二郎としてテレビドラマ初出演。その後、再び“ニチアサ”枠の『烈車戦隊トッキュウジャー』(2014年/テレビ朝日系)に、今度はヒカリ/トッキュウ4号の“戦隊ヒーロー”として出演して注目を浴び、その名を世に知らしめた。その演技力は、視聴者だけではなく監督をはじめとするスタッフをも魅了し、横浜は映画『新聞記者』『余命10年』などで知られる藤井道人監督作品に『青の帰り道』(2018年)、『DIVOC-12』(2021年)Netflixシリーズ『新聞記者』(2022年)など何度もタッグを組んでいる。

 特に現在公開中の『ヴィレッジ』では、主人公の片山優を「藤井道人と横浜流星の分身」と考え、ふたりで意見を出し合って役を作り上げるなど、熱い思いを込めている事を明かしている。髭を伸ばし、ある時は虚な表情を見せるその演技には鬼気迫るものがあり、SNSなどでも大きな話題となっている。

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 その一方で横浜は『線は、僕を描く』(2022年)では孤独と喪失で心にぽっかりと穴が空いてしまった青山霜介を演じている。ひょんなことから水墨画に魅せられていく霜介は、苦しい思いを抱えながらも自分の心と向き合い、すっと墨で線を描く。繊細な性格を感じさせる霜介と狂気を感じさせる優。このふたりを横浜は見事に演じ分けていた。この演技の幅広さが、時代の流れや年を重ねる様子を描く必要のある大河ドラマでは大きな強みとなってくるだろう。

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