『わたしのお嫁くん』高杉真宙の“覚悟”が波瑠を動かす? 手を取り乗り越えた第一関門

『わたしのお嫁くん』高杉真宙が覚悟する

 速見穂香(波瑠)が山本知博(高杉真宙)の兄からの“旦那査定”に臨んだ『わたしのお嫁くん』(フジテレビ系)第3話。

 大切な弟の突然のルームシェアのことを知った山本の兄・正海(竹財輝之助)は気が気でないようで、穂香に「あなたは知博の同棲相手として相応しくない(中略)2人の同棲は認めません」と断言し、山本家でのお茶会に誘い出す。ここで「同棲相手として相応しいことを証明せよ」と穂香に無茶振りを繰り出した。

 このお茶会に手作りのふわふわのシフォンケーキの手土産を持参して臨むことを決めた穂香は、お菓子作りが趣味だという新人社員の花妻蘭(前田拳太郎)からこっそり特訓を受ける。そこで花妻が何気なく発した「片方に恋人ができたら同棲生活はどうなるんですか?」という問いかけが、穂香の中の盲点を鋭く突く。

 時を同じくして、古賀一織(中村蒼)からの“駆け引きが足りない”というアドバイスに忠実に従おうとする山本は「今は引き時」だと自身に言い聞かせ、穂香に素っ気ない態度をとり続ける。なんだかすれ違いがちなことにモヤモヤを募らせる穂香だが、山本の気持ちが自分にあることも、自身の中で彼への好意が徐々に徐々に芽生え始めていることにも全く自覚はないらしい。

 “お兄さん兼お母さん”の正海や薫(古川雄大)に自分たちの同棲について納得してもらおうと、普段は一切やらないお菓子作りに取り掛かり、忙しい中でも猛練習すること自体が好意そのものだろう。親友・高橋君子(ヒコロヒー)に「よっぽど(彼を)手放したくないんだね?」と聞かれた際にも、穂香は迷いなく当然のように「もう山本くんのいない生活は考えられないよ」と答える。この彼女の言葉には生活の便宜以上の意味合いが含まれているように思えた。

 さらに、既製品のアイシングクッキーを購入して自身の手作りだと偽り皆に配る花妻にかけた言葉は、山本とのルームシェアを経た穂香だからこそ言えるものだった。

「こんなもんかって思わせるのも大事。失敗見せるのも大事。自分のダメなとこを見せられる相手が一人でもいた方が人生だいぶ楽になるっていうか」

 穂香にとってたった一人“自分のダメなとこを見せられる相手”が山本であることは間違いない。しかし、それがどれだけ自身に安心感や心強さ、自信を与えてくれているか。そして山本が自分にとってただの“同居人”という存在以上になっているということにまでは穂香は思い至っていないようだ。

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