『波よ聞いてくれ』小芝風花のミナレに完全に心奪われた! 毎週金曜日の夜は祭りの予感
“また”新しい小芝風花に出会った。
小芝主演の連続ドラマ『波よ聞いてくれ』(テレビ朝日系)が4月21日にスタート。23時15分からの放送ということで、深夜ラジオのテンションでラジオパーソナリティーとしての素質を見出される鼓田ミナレ(小芝風花)の姿が描かれた。
原作は『月刊アフタヌーン』(講談社)にて連載されている沙村広明の漫画。2020年の「マンガ大賞」では第4位にランクイン、さらに同年に地上波でアニメ化もされて話題となった本作の魅力が、初回の放送には詰め込まれている。
まずは、小芝が演じる主人公・ミナレのキャラクターだ。北海道札幌市のスープカレー店でアルバイトする彼女は金髪に真っ赤なリップ、見せブラにパンツスタイルと、ビジュアルからして超破天荒。酔っ払って記憶をなくすのは日常茶飯事だし、バイトに遅刻しても一切悪びれないどころか店長の宝田(西村瑞樹)には常に当たりが強い。
そんなドラマのヒロインにしてはかなり珍しいやさぐれ女を小芝が体現する。誰もが知る『魔女の宅急便』の魔女見習い・キキをはじめ、妖怪と共同生活を営むひたむきな女の子(『妖怪シェアハウス』(テレビ朝日系))や探偵の助手を務めるイマドキ女子(『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系))に、感情を持たないとされる物の気持ちがわかる繊細な感覚を持つ少女(『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』(テレビ朝日系))と、これまでも様々なタイプのヒロインを演じてきた小芝。最新作を更新するたびにイメージをガラリと変える彼女は、今回もまた新しい顔を私たちに見せてくれた。
ドラマが始まって早々、彼氏の光雄(内藤秀一郎)にフラれた上にお金まで騙し取られたミナレはバーでやけ酒を飲みながらたまたま隣に居合わせた男・麻藤(北村一輝)に愚痴をさく烈。息つく間もないほどの長いトークを一切噛むことなく、さらにユーモアも交えながら繰り広げる小芝に開始1分で魅了されてしまった。この麻藤という男、実はラジオ局のチーフディレクターで、ミナレの失恋トークを密録してラジオの生放送で流すのだが、そうしたくなるのも納得の台詞回しだ。
さて、今回はその後ラジオ局に乗り込んだミナレが麻藤の口車に乗せられ、あっという間にラジオ出演を果たしてパーソナリティとしての才能を開花させるのが主なストーリー。圧倒的な情報量を乗せて猛スピードで突き進んでいく。言ってみればよくあるシンデレラストーリーにもかかわらず、足を踏み入れた先には麻藤をはじめ、やたら色気のある放送作家の久連木(小市慢太郎)やいまいち感情が読みきれないパーソナリティのまどか(平野綾)など食えない業界人ばかりで、ミナレの前途多難な未来がすでに見えているのが新しい。さらに驚くべきは、ミナレが光雄から「仲直りしたい」という連絡を受けてから始まる終盤の展開だ。