永山瑛太が考える“夫婦”という関係 『あなたがしてくれなくても』陽一役は「ノープラン」
セックスレスの問題を抱える2組の夫婦を主人公にしたドラマ『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系)。みち(奈緒)と誠(岩田剛典)、相手を求めて拒絶されている側の視点が描かれた第1話・第2話。第3話では“したくない側の事情”として、陽一(永山瑛太)と楓(田中みな実)側の視点が映し出されていく。
放送後、みちと誠の姿に「つらい」「きつすぎる」という声が多く集まっている本作。そして、第1話から「そんなにしたいの?」「性欲強くない?」というパワーワードを吐き捨てた、みちのパートナーである陽一には非難の声も上がっている。
陽一を演じるのは、主人公4人を演じるキャストの中でひとり、実際の既婚者でもある永山瑛太。本作のテーマでもある“夫婦”について、永山に話を聞いた。
陽一に「もっと向き合えばいいのにな」
ーー陽一について、三竿玲子プロデューサーは「どこか憎めない人間味がある役」とコメントされていましたが、永山さん自身は彼をどういう人だと捉えていますか?
永山瑛太(以下、永山):僕自身は特になくて、観ていただいた方にいろいろな印象を感じていただけたらと思っています。奈緒ちゃんが演じるみちが苦しんでいる状態から始まり、どんどんある誘惑に飲み込まれていく。運命の出会いには抗えず、自分の欲求の思うがままに進んでいってしまうんですが、陽一がどういう人かっていうのは……。観ている人にとっては、あまりにもひどい人だなと思っていただけたらいいのかな。
ーー(笑)。演じていて、陽一の行動や態度に対してはどう感じていますか?
永山:陽一には陽一なりに抱えているものがあるんですよね。2人にはすれ違いが起きているから、もっと向き合えばいいのになとは思います。「結婚」というものは、「一緒にいたら幸せだから結婚しよう」というところから始まって、次に「子どもが欲しいね」となり、何年も一緒にいるようになる。そうやって全てが合致していくのって、なかなか難しいことじゃないかなと。すれ違ったり、ぶつかったり、毎日の生活のちょっとした心の動きのようなものをちゃんと察知して、汲み取ってあげる。そうやって2人の時間を過ごさないとうまくいかないこともあるでしょうし、それでもうまくいかないこともあると思います。それで離婚してしまうのも、仕方ないことなんじゃないかなって。「離婚は罪だ!」みたいなのはちょっと違う気がしていて。ただ、今回の作品に関しては、やっぱりもっと向き合えばいいのになとは思いますね。
ーー本作の陽一役をはじめ、『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系)での我路役や『リコカツ』(TBS系)での紘一役など、これまでいろんな幅のある役を演じられていますが、どのように演技プランを考えて演じられているのでしょうか?
永山:監督から「こうやりたい」と言われたらその通りにしたり、「どうやります?」と聞かれたら「じゃあやってみます」って言ってやってみて、監督とプロデューサーにジャッジをしていただいています。ちょっとやり過ぎなんじゃないかとか、もう少し色をつけてほしいなということだったりとか、表現の幅を増やしてほしいとか、表情がいろいろあったほうがいいかなとか……。そこはディスカッションの中で生まれていくものですね。基本的にはドラマの楽しみ方ってみなさんそれぞれ違うじゃないですか。その全ての演出をしている監督が、作品をどう形作っていくかの権利を一番持っていると思っていて。俳優部としては、監督の要望に当たり前に応えられることと、それと別の裏切り、台本には書かれてない想像しなかったような表現をいくつ現場に持ち込めるか、なのかなと思います。今回はノープランでやっていますね。何も考えてないというか、その場で何か生まれるんじゃないかなって。それは、もちろん奈緒ちゃんに対してもそうですし、監督に対しても信頼をしている上でできることですね。