奈緒、『あなたがしてくれなくても』で世の中の夫婦に届けたい“希望” 永山瑛太との縁も

奈緒、世の中の夫婦に届けたい“希望”

 シングルマザーと漁師たちの実話をモデルにした連続ドラマ『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)で2022年に民放GP帯連続ドラマ初主演を務め上げた奈緒。そして2023年、フジテレビ初主演ドラマとして奈緒が挑むのが、セックスレスの問題に直球で切り込んだ原作漫画をドラマ化する『あなたがしてくれなくても』だ。

『あなたがしてくれなくても』©︎フジテレビ

 奈緒が演じる主人公の吉野みちは、建設会社の営業課で働く32歳のOL。夫の陽一(永山瑛太)とは結婚5年目で仲はいいが、ただひとつ、セックスだけが足りていなかった。そこに加わるのが、みちの会社の上司・新名誠(岩田剛典)と楓(田中みな実)の夫婦。漠然とした不安を抱えているうちに、2組の夫婦の関係は少しずつこじれていく。

 福岡から上京し、今やヒロインとしての実力を着々とつけている奈緒。かつて、“上京を相談していた”永山瑛太との夫婦役への思い、そして挑戦的なテーマの本作にかける思いを聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

「家族で観てください」は言葉を飲み込んじゃう

ーー地上波プライム帯のドラマで“セックスレス”をテーマにした作品は、ある種、挑戦だなと感じました。

奈緒:すごい挑戦的ですよね。私も「次のドラマ面白そうだね」って声をかけていただいたときに、「家族で観てください」と言うのは、ちょっと言葉を飲み込んじゃう部分もあって。でもそれだけ、どのように観るか、自由に選んでいただける作品なんじゃないかなと思っています。家族で観ようとなるかもしれないですし、全く悩みがないご夫婦でも楽しんで観ていただけるかもしれないですし。ひやっとするような展開もあるんですけど、ドラマの中の2組の夫婦が、リアルに世の中にもいるんだと信じてもらえるように見えたら、絶対に希望になるなと思っていて。行き着く先がどこだったとしても、こんなふうに生きていいんだ、こうやって人と向き合っていいんだ、と思えるきっかけになれるようなドラマにしたいです。

ーー夫婦役を演じていて、どのような難しさを感じていますか?

奈緒:距離感がとくに難しいです。物理的な距離感って、自然と心ともリンクしているなと思っていて。なんとなく街中を歩いていても、「あの2人って夫婦なのかな?」「好き同士なのかな?」とか、そういうことがわかる瞬間があるし、分かりやすく手を繋いでいるいないに限らず、心を許している2人だからこそ、そこに流れる空気があるなと。目に見えない纏う空気感が、夫婦の役をやるのであれば絶対にないといけないと思うので、模索しています。

『あなたがしてくれなくても』©︎フジテレビ

ーー逆に面白いと思うことはありますか?

奈緒:自分にとって初めてで、楽しいなと感じることもあって。夫婦という役で、ここまで心を許した人の前だから出る行動というのがあるんだなって。みちと陽一を通して、ひとつの夫婦生活を垣間見れる瞬間がたくさんあるのは面白いです。

ーー演じる上で気をつけようと思っていることがあれば教えてください。

奈緒:みちが悩んでいる瞬間が多いので、一緒に悩めたらいいなと思っています。みちが一生懸命悩んで出した選択だからこそ、間違っていても正しくても、どこか皆さんに届くものがあるんじゃないかなと。私自身もそのシーンに慣れたりせずに、もがいていきたいなと思っています。

ーー“一緒に悩んでいく”という役への寄り添い方はいつもやられてるんですか?

奈緒:演出の栗山民也さんと舞台でご一緒したときに、「板の上で本気で迷っている役者を僕たちは見たいんだ」という言葉をいただいて、すごく心が軽くなったんです。台本に書かれている筋道はあるんですけど、その上で本当に生身の人間がどれだけ一緒に迷ったり悩んだりできるかで、皆さんに伝わるものが変わってくると知って、大切にしています。今、みちの心の矢印が誰に向かっているのかとか、その奥底にある感情を大切に汲み取っていきたいです。

ーー『ファーストペンギン!』の和佳役では“怒る”という感情に向き合ったと話されていましたが、今作のみちを演じる上で一番大事にしたい感情は?

奈緒:みちの“寂しい”という気持ちですね。みちは心が乾いてる状態がずっと続いてしまっていて、自分でも気づかないうちに、“こんなに私は寂しかったんだ”という状況になっている。でもそれは陽ちゃんのことが好きだからで、その寂しさの裏側にある気持ちを大事にしたいです。

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