『鬼滅の刃』アニメ表現は最高点へ 『刀鍛冶の里編』声優陣&ufotableの偉業を目撃せよ

『鬼滅の刃』のアニメ表現は最高点へ

 TVシリーズでありながら、劇場の大きなスクリーンで観ても十分過ぎるクオリティを持った映像になることも、『鬼滅の刃』なら当たり前となっている。『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』の中で上映された『遊郭編』第10話「絶対あきらめない」の宇随と妓夫太郎の戦闘シーンなど、画面の隅から隅まで激しく動き回ってぶつかりあう様を、劇場ならではの爆音とともに堪能できた。

 『刀鍛冶の里編』では、パワフルな宇随から変わって寡黙な時透と華やかな甘露寺が柱として戦闘に参加し、それぞれに独自の戦い方を見せる。ドジっ子のようでいて、柱である以上はしっかりと強いはずの甘露寺の方は、巨大な包丁のような形をした2本の日輪刀を両手で振り回した宇随とはまた違った、奇妙な形をした刀をどのように扱うのかに注目したい。

テレビアニメ「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編 第1弾PV

 3月に新潟市で開かれた新潟国際アニメーション映画祭で、アニメーションに関わる技術者を表象する大川=蕗谷賞の贈賞が行われ、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』撮影監督の寺尾優一が受賞した。寺尾は、「次の時代には、日々更新されるテクノロジーでもっと凄い切り口が生まれ、凄い映像が生み出せるようになるかもしれない。その時に、アニメの映像がまた一段と進化する可能性があるのではないか」といったコメントを寄せ、より凄い映像を生み出す意欲を表明した。『刀鍛冶の里』でもきっと、甘露寺や時透の戦いぶりを際立たせるような映像を見せてくれることだろう。

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4月9日より『刀鍛冶の里編』の放送がスタートするアニメ『鬼滅の刃』。これまで柱合会議でしか姿を現していなかった柱が登場することも…

 やはり3月に開催の「東京アニメアワードフェスティバル2023」では、アニメ オブ ザ イヤーの美術・色彩・映像部門を『鬼滅の刃』で美術監督を務めている衛藤功二が受賞した。衛藤も、「ufotableに所属して美術を任されるようになり、多様なアプローチの仕方をするようになって視野が広がった。シーンごとに魅せる映像を作りたいという気持ちになっている」と話して、作品世界と向き合い最高の映像を作る意思を示した。

 こうしたスタッフが今回も名前を連ねている『刀鍛冶の里編』だけに、『鬼滅の刃』だから当たり前といった地平すら超えて、とてつもない映像を見せてくれる可能性は高い。すでに鬼舞辻が上弦の鬼たちを呼びつけた無限城の描写が、もはや都市としか思えない広大無辺なものとなって観る人を唖然とさせた。あの場所が鬼舞辻や上弦の鬼たちとの決戦の場になると考えると、『無限城編』への期待もふくらむばかりだが、まずは『刀鍛冶の里編』で現時点での到達度を確かめたい。

■放送情報
『テレビアニメ「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編』
フジテレビ系にて、4月9日(日)よりスタート 毎週日曜23:15~23:45放送
※初回は1時間スペシャル
出演:花江夏樹、鬼頭明里、河西健吾、花澤香菜、岡本信彦、古川登志夫、鳥海浩輔
主題歌:MAN WITH A MISSION×milet「絆ノ奇跡」
原作:吾峠呼世晴(集英社ジャンプコミックス刊)
監督:外崎春雄
キャラクターデザイン・総作画監督:松島晃
脚本制作:ufotable
サブキャラクターデザイン:佐藤美幸、梶山庸子、菊池美花
プロップデザイン:小山将治
美術監督:衛藤功二 
撮影監督:寺尾優一
3D監督:西脇一樹
色彩設計:大前祐子
編集:神野学
音楽:梶浦由記、椎名豪
アニメーション制作:ufotable
製作:アニプレックス、集英社、ufotable

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