木村拓哉が語る『風間公親-教場0-』と前2作との違い テレビドラマの見方の変化も

木村拓哉が語る『風間公親-教場0-』

 木村拓哉が主演を務める4月期のフジテレビ系月9ドラマ『風間公親-教場0-』。本作は、長岡弘樹のベストセラーを原作とし、2020年と2021年に新春SPドラマとして放送された『教場』シリーズの3作目にあたる。神奈川県警の警察学校を舞台に描いたSPドラマ『教場』『教場II』にて木村は、冷徹で“最恐”の教官・風間公親を演じたが、本作では風間が教官として警察学校に赴任する以前、刑事指導官として新人刑事の教育に当たっていた時代を描く。

 本作が連続ドラマになることについて「不可能だと思っていた」と語る木村。しかし『若者のすべて』(フジテレビ系)以降、25年以上の付き合いである中江功監督の熱意を受け、風間の過去を描くにあたっての話し合いを重ね、実現に至ったのだと話す。

 風間という特異で魅力的なキャラクター、中江組の熱量、そして昨今の「テレビドラマの見方」の変化について、木村が語った。

中江功監督の熱意を受けて

ーー連続ドラマ化が決定した時の感想と、撮影中である現在の心境についてお聞かせください。

木村拓哉(以下、木村):連続ドラマで“風間公親”をやらせていただくこと自体が、僕の中では不可能だと思っていたんです。だけど作品の表現を引用すると、僕は蜷川(幸雄)教場や中江(功)教場で育ってきた人間ですから、中江さん本人からの説明と熱意を受けて「お願いします」という形になりました。でも、「フジテレビ月曜9時」という物件、そこにこういう内容のお店を当てはめて良いものかというところは若干、挑戦的な部分ではありますよね。 現場には監督や慣れ親しんだスタッフがいてくれるので、現場に立たせていただいている時には何の不安もないんですけど、高いクオリティを求める監督ですから、そこに対する緊張感は毎日あります。その気持ち良い緊張感の中でワンカットワンカット進んでいるので、非常に充実しています。

――物語は過去に遡り、“教官”ではない風間が描かれます。これまでのSPドラマとは違う点、変わらない点は?

木村:今回の舞台は警察学校という特別な空間ではないので、皆さんと同じ背景を彼も背負うことになります。そこが、これまでとは一番違う点になるんじゃないかな。監督とも、そこをどう違和感なく、どう面白くできるかを、最初の話し合いで詰めました。変わらないという意味では、風間本人の軸は全く変わってないですね。今回、彼が警察学校に赴く前にどんな時間を送って、なぜ教官になったのかという話を作っていくので、スペシャルの2本から逆算をしていかないといけない部分もあるんですけど、非常にありがたいのが、どこに立っていようが、誰が相手であろうが、どんなケースを見据えていようが、「彼だったらこうしますよね?」というのが、自分だけじゃなくスタッフの皆さんも共有できているんです。

ーー人物像、ドラマの世界観の共通認識が現場全体でできているんですね。

木村:カメラマンの方が、ファインダーを覗く前にご自身の目で僕らが1番最初に行うテストを捉えてくださるんですけど、その角度にしても場所にしても、監督が「こういう映像を撮ってくれ」って要求する前から、同じように捉えてくさださっている。スタッフも自分も、ある意味では監督のもとでのプレーヤーだと思うんですけど、技術チームは技術チームで「自分たちが求められるパフォーマンスってこういうことですよね」、(照明の)ライトマンは「このカットだったらこういう光が良いよね」と、監督が要求してくるであろうパフォーマンスを、それぞれの部署で担っているという感じ。ベクトルがしっかりと同じ方を向いていますね。監督の求めるものが分かっているから、例えばさっきまで晴天だった空に雲がバーっと出てきた場合には「今日は撮らないな。あの人(監督)、絶対回さないな」とか言って(笑)。お互いを理解し合った上で、共通のものを作れている。だからすごく面白いです。

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