ハリウッド騒然 ロサンゼルスの山火事によって家を失った著名人や業界への影響を解説

ロサンゼルスが、燃えている。米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で1月7日午前(現地時間)に発生した山火事は延焼が拡大し、10日午後(日本時間)現在も全ては鎮火していない。一体現地で何が起きているのか、その被害と影響を解説する。
ハリウッド近郊も火災、危機迫った観光名所
高級住宅地として知られるパシフィック・パリセーズで発生した火事は暴風によって急速に周辺エリアへ燃え上がり、XやInstagramでは現地の凄惨な状況が個人や報道カメラを通して確認できる。ロサンゼルス北東の地区などでも山火事が起き、周辺で合わせて5カ所、およそ140平方キロメートルに広がり死者も増加。その新たな現場のうちの一つが、映画の街ハリウッドの中心地、ハリウッド大通りにも近いハリウッドヒルズ周辺だ。この地域の火災は「サンセット火災」と呼ばれ、1月8日夕方(現地時間)に発生。ハリウッド・ボウルやTCL・チャイニーズ・シアター、ザ・ハリウッド・ルーズベルトホテルなどの観光名所にも迫っていた。
しかし消防士が夜通し消化活動をした結果、火災は鎮圧され翌日午前7時半(現地時間)には該当地区での避難命令が解除された。なんと幸いにも「サンセット火災」による住宅や建物への被害はなく、「奇跡です」と消防士がロサンゼルスタイムにコメントした。もちろん、火災エリアの近郊に位置していたハリウッドサインも焼失せず、無事である。しかしTikTokなどのSNS上では、ハリウッドサインが燃えるフェイク動画が複数投稿されるなどの事態にも発展していた。
なお、火災で危ぶまれていたユニバーサル・スタジオ・ハリウッドも燃えたとフェイクニュースが出ていたが、公式アカウントから無事であることが発表され、1月10日(現地時間)から営業再開とのことだ。
Universal Studios Hollywood and Universal CityWalk will be open on Friday, January 10 and will resume regular operating hours. pic.twitter.com/jD4ydZEcX9
— Universal Studios Hollywood (@UniStudios) January 10, 2025
一方、パリセーズ地区にあったパリセーズ・チャーター高校は火に飲まれてしまった。ここは、ブライアン・デ・パルマ監督のホラー映画『キャリー』や2003年のリメイク版『フリーキー・フライデー』、テレビシリーズ『ティーン・ウルフ』など数多くの映画の撮影地として親しまれていたため、映画ファンからは嘆きの声が上がっている。
避難を余儀なくされた著名人たち

一方、実際に被害を受けている人たちの数は計り知れない。火災の発生地区であるパシフィック・パリセーズや隣接するマリブが映画界や音楽界のスターが多く住んでいる地域だったこともあり、多くのセレブリティが命の危険にさらされた。『スター・ウォーズ』シリーズのマーク・ハミルや『ハロウィン』シリーズのジェイミー・リー・カーティス、『インディ・ジョーンズ』シリーズのハリソン・フォード、『エデンより彼方に』のデニス・クエイド、『サルバドル/遥かなる日々』のジェームズ・ウッズ、『塔の上のラプンツェル』のラプンツェル役や『THIS IS US/ディス・イズ・アス』への出演で知られるマンディ・ムーアらが避難を余儀なくされたことが公に発表されている。
中には実際に自宅が焼失したことを確認した者も。避難したウッズやムーアをはじめ、パリス・ヒルトンや『羊たちの沈黙』のアンソニー・ホプキンス、『トップガン マーヴェリック』のマイルズ・テラー、『クレイジー・ハート』のジェフ・ブリッジス、『バートン・フィンク』のジョン・グッドマン、『ダーティ・ダンシング』のジェニファー・グレイ、『最終絶叫計画』のヒロインでお馴染みのアンナ・ファリス、エミー賞やグラミー賞受賞歴のあるユージン・レヴィ、『アベンジャーズ』マリア・ヒル役でも知られるコビー・スマルダーズ、アカデミー賞の常連司会者でもあったビリー・クリスタル、『ゴシップガール』のレイトン・ミースター、『ジュラシック・ワールド/炎の王国』出演のダニエラ・ピネダらの家が全焼していると報道された。
テラーに至っては2023年に750万ドルで買ったばかりの新居を失ってしまった(パシフィック・パリセーズの平均的な住宅価値は450万ドル)。しかし、失われたのは金額的な価値だけではない。貴重な思い出、全てである。1979年以来、パシフィック・パリセーズに住んでいたクリスタルは、子供や孫を育てた自宅の全焼について「心が張り裂けそうだ」とコメント。そしてホプキンスも2018年にも起きたロサンゼルスでの山火事で家を失いそうになったり、2000年にロンドンの家を火事で失ったりとこれまでも危険な目に遭ってきた上で、今回の全焼である。
一方、パシフィック・パリセーズにありながらもスティーヴン・スピルバーグやトム・ハンクスの家など、無事だった住居も確認されている。




















