北香那、たった1話で『どうする家康』の超重要キャラに お葉役で見せた俳優としての力量

北香那が『どうする家康』で見せた力量

 そんな北が大河ドラマに挑むのは、冒頭で触れているようにこれが3度目。2019年放送の『いだてん〜東京オリムピック噺〜』(NHK総合)、昨年の最大級の話題作『鎌倉殿の13人』(NHK総合)に続いてのことだ。今作では今後どれくらいの出番があるのか分からないが、少なくともこの第10話では非常に大きな功績を残した。お葉はいきなりの側室への打診に戸惑い、不器用ながら自身の感情を抑えて奮闘。最終的にはその心の内を感情的に吐露した。そしてこの一連の振舞いに翻弄されたのが、ほかの誰でもなく家康である。まだまだ天下は遠い、頼りのない男だ。演じる松本自身やその周囲のレギュラーメンバーはこれを一丸となって視聴者に示しているが、彼らの存在がより際立つキャラクターがつねに必要。今回の北の場合は最初から最後まで松本とは真逆のパフォーマンスを展開させることで、情けない男の姿をよりくっきりと浮き上がらせ、その先に彼の成長の可能性があるのだと示すことを手伝う役どころを担った。家康にお葉の全力の姿が響いていなければ、さすがにもうついていけないというものである。

 いまなお話題の『ガンニバル』(ディズニープラス)にて物語のカギを握る重要人物の1人を演じていることもあり、北香那は各方面から注目を集めている。同作の続編にも期待せずにはいられないところだが、とりあえずいまは『どうする家康』での活躍である。次にまたお葉にスポットライトが当たるときは、再び家康に“喝”が入るときであり、それは物語が動き出すときだろう。

参考

https://realsound.jp/movie/2023/03/post-1275926.html

■放送情報
『どうする家康』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:松本潤
脚本:古沢良太
制作統括:磯智明
演出統括:加藤拓
音楽:稲本響
写真提供=NHK

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