北香那、『どうする家康』お葉役に込めた愛の在り方 「幸せであればいいんじゃないか」

北香那、『どうする家康』お葉役への思い

 毎週日曜日に放送されているNHK大河ドラマ『どうする家康』に北香那が登場した。北が演じるのは、家康(松本潤)の側室となる人物・お葉。前大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合)では、源頼家(金子大地)の正室・つつじを好演していたことも記憶に新しい北は、どんな思いを持って本作に臨んだのか。じっくりと話を聞いた。(編集部)

お葉の登場シーンのイメージはバットマン?

――北さんの大河ドラマへの出演は、2019年放送の『いだてん~東京オリムピック噺~』(NHK総合)、2022年放送の『鎌倉殿の13人』に続いて3作目となります。『どうする家康』第10回は、北さんが演じるお葉にスポットが当たる、いわゆる主人公回でもあります。

北香那(以下、北):自分が大河ドラマでその回のメインキャラクターを演じさせていただくことに、今も現実味がないというか、まだ若干フワフワしています。

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――『鎌倉殿の13人』で演じたつつじは源頼家(金子大地)の正室でしたが、今回の『どうする家康』では家康(松本潤)の初めての側室です。そういった立場の違いは芝居をする上で意識されましたか?

北:つつじは正室ではあるんですけど、あまりそこにはこだわっていないし、ステータスを感じていない人です。公暁(寛一郎)が生まれてからは、息子と一緒にいられればそれでいいという“月”のような意志の強い女性で、正室に相応しくあるように芯の通った人物というイメージで演じていました。お葉ちゃんも流れでこうなってしまったところはあるので、側室にこだわって演じたというのはないですね。どちらかと言えば、両方ともキャラクターを立てることを意識していました。

――今回は特に松本潤さん、有村架純さん、松嶋菜々子さんとの共演シーンが多かったと思いますが、撮影裏でのエピソードがあれば教えてください。

北:松本さんとお芝居をさせていただくのは初めてでした。アクションがすごくお上手で、どうしたらこう見えるといったことを詳しく教えてくださったので、身を委ねて演じさせていただきました。有村さんは別作品でご一緒したことを覚えてくださっていて、「お久しぶり」って言ってくれたり、端っこに座っている私に椅子を出してくれたりして、申し訳ないと思いながらもキュンキュンした気持ちもありました(笑)。松嶋さんとは今回が初めてだったんですけど、あまりにもお綺麗すぎて私が遠くでずっと見ていたので、そんなに直接的なエピソードがあるわけではなく。緊張して現場に向かう私に「おはよう」って言ってくれる時の笑顔に救われていました……(笑)。

――お葉の役作りについて、「監督とお話しするにつれて、大幅にお葉のイメージが拡大」していったとコメントされていますが、監督とはどんなお話をされたんですか?

北:私がお葉ちゃんに抱いていたのは、クールで、喜怒哀楽が分かりにくく、テキパキ仕事ができて、いわゆる女子校でモテそうなカッコいい女子みたいなイメージだったんです。監督はそれにプラスして、一つひとつの動きがカチカチと決まっているロボットっぽくて、真面目にやっていることが愛らしく見えてくるようなキャラクターだと教えてくれました。そのお葉ちゃんを作り上げていくためのリハーサルを何度も重ねていったのですが、私は感情が読めない、クールな役をあまりやったことがなかったので、そこは大変でした。普段の動きもそんなにテキパキしていなくて、そういったところが自然に出てしまうのを抑えるのにも時間がかかりました。

――ロボットっぽい動きというのは、直角に曲がる動作などですよね。

北:そうですね。普段はカクカク歩かないので(笑)。そこは案外苦労したんです。カクカク動くっていうのが、私は苦手なんだって気づきました。

――向かってくるイノシシを鉈で「ソイ!」と仕留めるシーンはインパクトが強いですけど、あれはどのようなディレクションがあったんですか?

北:アクション指導の方に、向かってきたイノシシをこの角度で打つみたいにして、的確に教えていただきました。みなさんのアドバイスをもとにしてああいった形になったのですが、結果観てみたら印象的なシーンになっていてよかったです。

――側室として家康と一夜を共にしようとするシーンは、シリアスなんだけど観ている側はそのギャップにどこか笑ってしまう、そんな難しいバランスの演技が求められる場面だったと思います。

北:言ってみれば、あれもアクションですよね。「殿が好む女子じゃなくてごめんなさい」と謝るシーンでは家康さんをキュンとさせるように言われていたんですが、お葉が家康さんの耳を触るところは“エロ”に行く、このまま始まってしまうんじゃないかという空気感を出しつつ、逃げられてしまった時に「なんか違う……エロではなかった」というような気持ちでいる。お葉の心持ちもそうですし、動きも難しくて。お葉は家康さんの耳を触って、お腹を撫でる頭しかないので、そこは全うしにいってたんですけど。松本さんには、私が飛び乗るシーンもリードしていろいろ教えてくださいました。

――袖で顔を隠したり、上目遣いをしたりというような仕草については何か監督からありましたか?

北:監督が登場シーンにイメージしていたのはバットマンでした(笑)。可愛い上目遣いというよりかは獲物を狙うイメージでしたね。

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