『大病院占拠』櫻井翔の頭脳を使った鬼との攻防戦 悪役の域を超えた存在感を放つ菊池風磨

『大病院占拠』櫻井翔と鬼の攻防戦 

 警察内部にいる鬼たちの仲間=“紫鬼”の正体が相模(白洲迅)と判明。病院内にいる鬼たちに合流しようとしていた相模を捕らえた三郎(櫻井翔)は、自ら紫鬼の格好をして界星堂病院へと戻る。考えてみれば、三郎が病院内へと戻るのは第2話で3階から転落しながら奇跡の生還を遂げて以来だ。ドラマを観ている側としては2カ月ほど経っているが、劇中での時間経過はまだ10数時間といったところか。終盤で和泉(ソニン)には疲労の色が窺えたが、三郎はまだまだ全力で稼働中である。

 さて、3月11日に放送された『大病院占拠』(日本テレビ系)は最終話直前の第9話。前回のエピソードの時点で各所に散らばっている鬼の仲間が誰なのかなど、一通りの登場人物たちの関係性がわかった流れで、今回はついに“P2計画”の全貌が明らかにされる。その正式名称は“プレミアム・パナケイア計画”。第1話の序盤、三郎が診察のために病院に足を踏み入れた時にロビーのテレビ画面に流れていた「新型ステルスウイルス集団感染から3年」というニュース映像が重要な伏線であったわけだ。

 青鬼(菊池風磨)が暴くよう命じた“病院にまつわるすべての罪”について簡単にまとめよう。プレミアム・パナケイア号の一件を受けて、知事である長門(筒井真理子)はワクチン開発のための研究所作りを計画。地域住民の反対を避けるために秘密裏に進め、1年前になって新たにできた界星堂病院の地下4階に研究所を設立する。

 そこには県警本部長の備前(渡部篤郎)や播磨(津田寛治)、大隅(瓜生和成)、そして甲斐正美(西原亜希)が関与しており、橙鬼(森田甘路)と茶鬼(大水洋介)の弟・大輝(橋本悟志)が研究員として働いていた。大輝が非常に高い致死性を持つウイルスに誤って感染し、ホテル・オシマで山城琴音(上西星来)と日向聡介(森島律斗)に移してしまい、以前のエピソードで描かれてきた悲劇や、隠蔽工作へとつながったのである。

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