『ハマ蹴り』が提示する“自分軸”で生きることのメリット いつかに「好きだ」と伝えた紘一

『ハマ蹴り』自分軸で生きることのメリット

 ただ、いつかが許せないのは、本当に紘一のことなのだろうか。いつかの同僚・ミチコ(サーヤ/ラランド)が放った「あんたが本当に許せないのは、設楽紘一じゃないよ。いちばんムカついてどうしようもない相手は、設楽紘一のこと許せないいつか自身だよ」という言葉が、胸に響く。『ハマ蹴り』は裏テーマとして、“自分軸”で生きることのメリットを提示しているような気がするのだ。

 紘一はずっと、今の自分がうまくいかないのを他人のせいにしてきた。もし、カヅキビールをリストラされなかったら。もし、妻の夏美(早見あかり)が家を出て行かなかったら。でも、起きてしまったことは仕方がない。全部自分の責任。そう認めることができてから、前向きに生きていけるようになった。

 いつかも、同じだ。彼女は、ずっと紘一にとらわれてきた。彼のせいで、自分は変わってしまった。彼にあんなことを言われなければ……。しかし、変わろうと決めたのは、いつか自身だ。最初は、“あいつのせいで”と思っていたのに、“変わってよかった”と思えるようになったのは、きっと“自分軸”で物事を捉えられるようになったから。

「俺を好きじゃないって言ったよな? だったら西島いつか、あんたに俺を好きにさせてやる!」

 かわいすぎる紘一からの宣戦布告を、いつかはどう受け止めるのだろうか。夏美がシンガポールに旅立ち、香取(京本大我)がいつかの応援団に回ったいま、2人の関係を妨げる人物はいない。

 見つめ合って、抱き合って、「好きだ」と伝えた紘一。Kis-My-Ft2が歌う主題歌「Lemon Pie」の歌詞のように、甘酸っぱい展開になってきた。じれったい2人の、大人な恋がようやく幕を開けそうだ。

■放送情報
『ハマる男に蹴りたい女』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:00~23:30放送
出演:藤ヶ谷太輔、関水渚、京本大我、久保田紗友、西田尚美、西垣匠、サーヤ(ラランド)、田渕章裕(インディアンス)、金子隼也、大地真央
原作:天沢アキ『ハマる男に蹴りたい女』(講談社『Kiss』連載中)
脚本:関えり香
監督:片山修、中前勇児ほか
ゼネラルプロデューサー:中川慎子(テレビ朝日)
プロデューサー:田中真由子(テレビ朝日)、尾花典子(ジェイ・ストーム)、平林勉(AOI Pro.)、小林麻衣子(テレビ朝日)
音楽:木村秀彬
主題歌:Kis-My-Ft2「Lemon Pie」(MENT RECORDING)
制作協力:AOI Pro.
制作著作:テレビ朝日、ジェイ・ストーム
©︎テレビ朝日
公式Twitter:https://twitter.com/oshidoraEX
公式Instagram:https://www.instagram.com/oshidora_ex/
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@oshidora_ex

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