『ハマ蹴り』が提示する“自分軸”で生きることのメリット いつかに「好きだ」と伝えた紘一

『ハマ蹴り』自分軸で生きることのメリット

「もしかして、俺のこと好き? なのか?」
「好き? 多分……」

 いつか(関水渚)が、紘一(藤ヶ谷太輔)を押し倒す衝撃的なシーンから始まった『ハマる男に蹴りたい女』(テレビ朝日系/以下『ハマ蹴り』)第8話。いつかは、「好きじゃないのに、どうして押し倒したくなるのか」と言っていたけれど、彼女の瞳を見ていたら分かる。好意を持っているのは間違いない。ただ、2年前のトラウマが邪魔をして、なかなか好きだと認められずにいるのだろう。

「本質を理解していない人間に、これ以上時間を費やすのは無駄なので」

 2年前、一生懸命考えたプレゼンの内容を、紘一に全否定された日から、いつかの生活は大きく変化した。もう、絶対に負けたくないーー。そう誓って、キャパシティのすべてを仕事に捧げてきた。

 移動時間さえも、もったいない。家事もしなくてすむように、会社から徒歩圏内でまかない付きの下宿・銀星荘にも引っ越した。その結果、ズボラ女子になってしまったけれど、それでもいい。いつか、彼を見返せる日が来るのなら。そう思って、必死で努力を重ねてきた。

 つまり、いつかにとって紘一は、人生観に影響を及ぼした人物と言っても過言ではないのだ。それなのに、当の本人はいつかのことをまったく覚えていなかった。それが悔しくて、つい釣れない態度を取ってしまう。

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