『スタンドUPスタート』竜星涼がダイナミックな戦略提案 天海祐希のサプライズ登場も

『スタンドUPスタート』大陽の大胆戦略

 三星兄弟とそっくりな姉妹のすれ違いと切っても切れない絆が描かれた『スタンドUPスタート』(フジテレビ系)第7話。

 自称“人間投資家”の三星大陽(竜星涼)の元に出資の依頼にやって来たのは、洋菓子店「クレヨン・ドゥ・クルール」社長の永野凛子(白石聖)だ。フランスで開かれたスイーツコンクールの世界大会で日本人初の優勝という快挙を成し遂げた実力者で、斬新な発想で作られたスイーツの数々は話題性抜群。自身が作るお菓子に関しては自信満々でパリに2号店を出店したいと考えている凜子だが、実際のところなかなかに足元はグラグラだ。完璧主義でこだわりの強い凜子はスタッフ教育がどうやら苦手らしい。どこを改良すればいいのかアドバイスすることなくやり直しを言い渡したり、反対に指導することを放棄し自分が対応してしまったり。追い討ちをかけるかのように、悪質なクレーマーからの嫌がらせ動画の拡散も重なり、スタッフの離職が続いてしまう。

 そんな中、凜子の頭に過ぎるのは、実家・ながの製菓の社長を務める姉・絵美(大西礼芳)のこと。凛子も元々はながの製菓の商品開発部で働いていたが、新商品のアイデアを出しても絵美から却下されてばかりで喧嘩別れしてしまっていたのだった。自身が店舗経営をしてみてわかったのは、ただただケーキを作っていればよかった頃とは違う経営者としての新たな苦悩や孤独だ。

 近すぎるからこそ素直になり切れない妹に、心配をかけたくないから肝心なことが言えない姉。なんだか大陽と兄・大海(小泉孝太郎)を見ているかのようだ。三星兄弟と同じく永野姉妹もまた互いにタイプは異なり、今は疎遠になってしまっているもののそれぞれをちゃんとリスペクトし合っている。三星兄弟にとっての思い出のドローンが、永野姉妹にとっては凜子の洋菓子店名の由来にもなっている絵美からプレゼントされたカラフルな色鉛筆だろう。

 今回もまた大陽が非常にダイナミックで鮮やかな戦略を描き出した。ながの製菓に買収話を持ちかけているケーキのEC製造販売ベンチャー「αトルテ」をも巻き込み、3社での業務提携を打ち出したのだ。持ち場ごとの強みを生かした相互補完型のこの提携話は、どこかでボタンをかけ違えてしまっていた永野姉妹の間にあった、わだかまりをも溶かした。

 凜子役を演じた白石は、透明感の中にも芯の強さを真っ直ぐに感じさせる凛とした佇まいが魅力的だ。『大奥』(NHK総合)では薬種問屋・田嶋屋の跡取り娘で、水野(中島裕翔)の幼なじみ・お信役を好演しており、3月1日より主演ドラマ『とりあえずカンパイしませんか?』(テレビ東京系)の放送も開始となった、今勢いのある若手俳優の1人だ。

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