『100万回 言えばよかった』を『100万回生きたねこ』から読み解く ハヨンが重要な存在?

ドラマ『100万回』ハヨンの存在が重要に?

 佐藤健が現世をさまよう幽霊となった男を演じるドラマ『100万回 言えばよかった』(TBS系)。第6話で新たな幽霊が登場し、霊に関する新たな情報も出てきた。そこで、直木(佐藤健)の行く末を占う幽霊解説をしてみたい。

直木の成仏に必要なもの

 成仏の仕方を聞きに譲(松山ケンイチ)の姉・叶恵(平岩紙)に会いに行った直木と幽霊の先輩・樋口昌通(板倉俊之)。譲の実家は千年続く寺で、代々霊媒の家系、霊が見える体質をしっかりと受け継いだ叶恵が寺を継いでいる。直木が成仏しないのは「思い残し」があり、事件が解決したら消えると考える叶恵。そして「死は理不尽だよ、だけどある意味平等」と諭す。直人は、残された悠依(井上真央)が心配なこと、そしてちゃんと思いを伝えていないことが「思い残し」だと考える。また第6話の最後には、幽霊に乗り移られると命が削られ、やがて命を落とす者もいるという文献を叶恵が見つける。

 直木が考える思い残しは、現生で生きていく悠依の幸せだ。そう思えたのも、譲が悠依を好きになっていることを知り、譲なら任せられると思ったからだろう。

 ただ、これは悠依にとって幸せなことなのだろうか。いくら譲が良い人だとはいえ、他の男と新しい人生を歩むのが幸せかとなると疑問である。また、問題なのが、自分が成仏できるほどの言葉をどうやって伝えるのか。直木の姿で伝えることは今のところ無理で、譲が体を貸したところで、それは譲の口からの言葉。映画『ゴースト/ニューヨークの幻』のように、天から光が降り注ぎ、成仏する前に自分の姿が悠依に見える奇跡が起きるのだろうか。

直木の弟は登場しない?

 1つ気になるのが直木の弟の存在。葬儀にも出ず、一度もドラマ上、顔を見せていない。血液の病を患う8歳年下の弟・拓海は、直木が骨髄ドナー適合者として3度の移植をしている。亡くなっている、もしくは寝たきりになっているとも考えられるが、そうした話は今はなく、ここまで設定があるのに顔を出さないのはおかしい。しかし、それは今後の展開上の理由で、佐藤健にソックリというサプライズが用意されているのかも知れない。

 何らかの術で、最後に直木が弟に乗り移る。弟が命を落とす状況になり、直木が体を借りて今後の人生を歩む可能性があってもいいだろう。ただ、脚本家の安達奈緒子はNHKの朝ドラ『おかえりモネ』で、銭湯の住人である宇多川さんを重要人物にも関わらず最後まで姿を見せないという朝ドラ史上類を見ない展開を描いただけに、弟が登場しないケースも考えられる。

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