『スタンドUPスタート』竜星涼を中心に会社設立 人間くささが滲みでる塚地武雅の好演

『スタンドUPスタート』竜星涼が会社設立

 元・三ツ星重工の人間が4人大集結した『スタンドUPスタート』(フジテレビ系)第5話。

 株主総会で三ツ星重工の社長・三星大海(小泉孝太郎)に意見し、「錆びた部品の片付けをしたまで」だと切り捨てられた造船所事業の元現場責任者の武藤浩(塚地武雅)、不適切な会計処理の責任を取る形で退任に追い込まれた常務の山口浩二(高橋克実)と、彼と共に“山谷コンビ”として数多くの好成績を残してきたグローバル推進事業部本部長・加賀谷剛(鈴木浩介)、そして自称“人間投資家”の三星大陽(竜星涼)だ。

 造船所の閉鎖で街から人が消え活気がなくなり、時計が止まってしまったかのような様子を嘆いていた武藤は、大陽からの提案で風汐市造船所の跡地をネットスーパーにする計画に乗り出す。

 しかし、街では“ヨソ者が街を乗っ取ろうとしている”という噂が出回り、住民の中でもただでさえ変化を嫌う高齢の重鎮たちの鶴の一声で何でも決まってしまう現実に打ちのめされる武藤。説明会を開いても非難轟々でまともに取り合ってもらえない。

 しかし、大陽から「STP分析」を教わった武藤は、このプロジェクトについてプレゼンすべき相手を間違えていたことに気づく。そして、造船所の閉鎖に伴い、住民の属性が変わったのをきちんと捉え、それでも地元を捨てずその時々でビジネスの形を変えながら柔軟に変化している若手事業者らから理解を得られるようになる。

 不器用で口下手で、生真面目な職人気質が滲む武藤役を塚地が好演している。立ち回りはうまくはないものの、嘘がつけず真っ直ぐな武藤から発せられる言葉は純度が高く、そこに不思議と説得力が宿り、なんだか信じたくなるし、応援したくなる。塚地と言えば『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)でもドラマ内ドラマの撮影シーンにて本人役で出演していたが、連続テレビ小説『おちょやん』(NHK総合)での漫才師・花車当郎役のような頼りになりハッピーオーラ溢れる温厚なキャラクターが思い出された。かと思いきや、本作のように不器用で哀愁溢れる役柄も見事に演じ分ける。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる