『罠の戦争』草彅剛×六平直政、2作連続の名シーン 登場人物の名前に隠された秘密とは

『罠の戦争』草彅徹×六平直政の名シーン

 有力者に顔が利く鰐淵は亨にとって強い味方だ。今作では登場人物の名前に動物が入っており、それぞれのキャラクターの立ち位置を示唆している。敵役の犬飼は犬、虻川(田口浩正)は虻、亨に協力する梨恵は蛍原でホタル、眞人の苗字は蛯沢(エビ)であり、人間に益をもたらしたり害をなす程度に応じて性格付けがされている。

 鰐淵はワニだが一般的に怖い動物という印象がワニにはある。一方で、クロコダイル革は高級品でワシントン条約で保護されているほか、種によっては肉が食用に供されるなど人間にとって有益な動物でもある。鰐淵は政治に足を踏み入れる亨に覚悟を確かめるように「後戻りはできないぞ」と忠告する。亨が自身のルビコンを渡る川を舞台にした象徴的な場面で、ワニの持つ二面性が鰐淵という役柄に反映されていた。

 「戦争シリーズ」の最新作である『罠の戦争』には、キャスティングや人物設定で過去2作とのつながりが感じられる。六平の起用もそうだし、兄・浩輝(森田甘路)が経営難で自殺する眞人の生い立ちは『銭の戦争』(2015年/カンテレ・フジテレビ系)の主人公・富生と重なる。過去作のエッセンスを受け継ぐ本作には、たくさんの驚きと発見を期待できそうだ。

■放送情報
『罠の戦争』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週月曜22:00〜放送
出演:草彅剛、井川遥、杉野遥亮、小野花梨、坂口涼太郎、白鳥晴都、小澤征悦、宮澤エマ、飯田基祐、本田博太郎、田口浩正、玉城裕規、高橋克典、片平なぎさ、岸部一徳ほか
脚本:後藤法子
演出:宝来忠昭
演出・プロデューサー:三宅喜重
プロデューサー:河西秀幸
音楽:菅野祐悟
主題歌:香取慎吾×SEVENTEEN「BETTING」(Warner Music Japan)
制作著作:カンテレ
©︎カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/wana/

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