生田斗真の熱意は視聴者にも伝播 『大河ドラマが生まれた日』に詰まったテレビへの愛

『大河ドラマが生まれた日』テレビへの愛

 また、本作で印象的に描かれているのが「身近な人を喜ばせることも素直に嬉しいこと」である。それは楠田にとっての美登理であり、山岡にとっては父の光雄(永島敏行)、そして下宿先の渕上憲明(伊東四朗)、その娘であり山岡が恋心を抱いている明恵(松本穂香)だった。なかなかテレビの職業を理解してくれなかった父の電話越しに聞こえてきた『花の生涯』の最終回の音、オンエア終わりに明恵が山岡に言った「テレビっていいもんですね」の一言。SNSを介して実況が行われている現代と比べると人と人の心の距離感、温かみが感じられる描写だ。

 2月3日放送の『あさイチ』(NHK総合)「プレミアムトーク」に出演した生田斗真は、成島を演じた中井貴一が1日しか撮影に参加できない多忙のスケジュールの中で収録に参加したこと、そしてその日が父・佐田啓二の命日だったことを明かしていた。本作にも登場している映画スター・佐田啓二を山岡に出演するよう指示する、運命的とも言える配役だ。

 2月5日にはエンドロールにも流れていた、最新AI技術によってカラーになって蘇った『花の生涯』がオンエア。その後には第62作目となる大河ドラマ『どうする家康』が放送となる。『どうする家康』の裏側でも、日々テレビマンたちが情熱を燃やしている。

■配信情報
テレビ70周年ドラマ『大河ドラマが生まれた日』
NHK+、NHKオンデマンドで配信中
脚本:金子茂樹
主演:生田斗真
制作統括:千野博彦(知財センター)、佐野元彦(NHKエンタープライズ)
演出:一色隆司(NHKエンタープライズ)
写真提供=NHK

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