『大病院占拠』を3つのポイントから考察 比嘉愛未は鬼側の人間で櫻井翔を騙している?

『大病院占拠』比嘉愛未は鬼側の人間?

 櫻井翔主演の日本テレビ系土曜ドラマ『大病院占拠』。鬼の面を被った武装集団に病院が占拠されるというこの物語で、ネット上では鬼のキャストが一体誰なのかという推測が盛り上がり続けている。そんな中、第3話では緑鬼(村上淳)、橙鬼(森田甘路)、茶鬼(大水洋介)の3人の鬼が正体を明かし、犯人たちの目的も徐々に見えてきた。そこで、犯人たちの目論みは何なのか、「1. 犯人の目的」、「2. 犯人と三郎の関係」、そして「3. 病院の秘密」に焦点を当てて考察してみたい。

『大病院占拠』緑鬼は村上淳、橙鬼は森田甘路、茶鬼はラバーガール 大水洋介

毎週土曜22時より日本テレビ系で放送中の櫻井翔主演ドラマ『大病院占拠』の緑鬼、橙鬼、茶鬼役のキャストが1月28日放送の第3話で明…

 物語は、神奈川県警捜査一課の優秀な刑事だった武蔵三郎(櫻井翔)が、1年前の「ガソリンスタンド立てこもり事件」で人質を守るために犯人を死亡させ休職したことから始まっている。そして妻であり心臓外科医の裕子(比嘉愛未)、娘・えみり(吉田帆乃華)とは現在別居中だ。ある日、武蔵がカウンセリング治療を受けるために裕子が勤める界星堂病院へ行くと、武装集団に病院が占拠される。医師や患者だけでなく、視察に来ていた神奈川県知事・長門道江(筒井真理子)などが人質になる中で、休職中の武蔵が人質を救うため犯人に立ち向かう。

 現時点で分かっていることは、犯人たちの(表向きの)目的は、選ばれた人質に対する復讐だ。鬼たちは動画配信チャンネル「百鬼夜行」を立ち上げ、多くの視聴者が見る生配信で人質たちが過去に行った罪を暴き、社会的制裁を加えようとしている。例えば病院の清掃員・岩代(小林リュージュ)が、2年前に女子児童に暴行を加え服役し、出所後も同じ過ちを繰り返していたことを暴露される。タレント医師として活躍をしている土佐(笠原秀幸)は、違法ドラッグパーティを開き、女子大生の周防あかり(乃中瑞生)を死なせていた。緑鬼の正体があかりの父・周防誠(村上淳)で、土佐に復讐するために鬼の計画に乗ったことが明かされた。

 まずここで気になるのが、鬼たちが乗り込んで来た時は8人だったのに相関図を見ると10人だということ。つまり病院内部の人間に鬼がいる。最初に射殺されたのは武蔵の担当医である常陸(水橋研二)だが、曲者役者である水橋がいきなり第1話で退場するのはどうも不自然だ。さらに武蔵を診察した時に、ガソリンスタンド事件の時の行動を「一緒に見ていた娘も正しいって」と言って、わざわざ飾ってある娘の写真が画面に映っていたことからも、娘の復讐のために鬼になったと推測できる。もし鬼の復讐のターゲットが武蔵だとした場合、武蔵がこの時間に病院に来ることは、病院に予約した時点で関係者なら調べれば分かる。登場人物で言えば、常陸と妻の裕子が知っているのだ。思い返せば裕子はわざわざ武蔵に電話をして診察の時間を知らせていた。それは絶対にこの時間に来るようにと念を押したように感じられ、これもまた怪しく、鬼と繋がっている可能性が十分にある。

 普通は、鬼の1人がガソリンスタンド事件の関係者で、武蔵に復讐心を持っていると予測できるが、ただ武蔵に対する復讐心よりも、人質の罪を曝け出すのに武蔵のブレない正義感を利用していると感じる。常陸の言葉も、彼の正義感を促すために言った言葉なのかも知れない。今作は、唐沢寿明主演ドラマ『ボイス 110緊急指令室』(日本テレビ系)の製作陣が集結したオリジナルドラマ。司令室の指示により自分の正義を貫いて行動する刑事という構図だったり、犯人が主人公の正義感を問う流れや、ネットで中継して世間の判断を委ねる展開も似ているところが多い。それを考えると、武蔵の正義感につけ込み利用した挙句、最後は復讐を遂げる展開も予想される。

 そこで鍵となってくるのが、武蔵の娘・えみり。第4話の予告を見ると新たな紫鬼に連れ去られるようだが、紫鬼は武蔵と裕子に復讐するために誘拐したのか、または保護するためなのか。はたまたネットを見た上での模倣犯の可能性も。おそらく武蔵の正義感を問うたり、世間に懺悔させるために利用されるだろうが、えみりが想像以上に武蔵を恨むほど嫌っているので、そこがどう展開していくのかが、物語の山場になるだろう。

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