北川景子の存在は『どうする家康』にどう影響する? 俳優デビュー20周年で次のフェーズへ

北川景子、『どうする家康』での気高い姿

 先述しているように、『どうする家康』におけるお市は凛々しい存在だ。その一挙手一投足は強くしなやかで、まだ大名の器ではない元康とは対照的。北川が力演すればするほど、松本が立ち上げる元康像は情けないものだと映る。北川の存在の強さが、弱さを表現する松本の存在を際立たせる。だからこそ、お市の助言によって心を決め、困難に立ち向かっていこうとする元康の姿は、今度は弱さを脱し、大きく変わっていくように映るのだ。これは高い解像度で脚本を読み解き、緻密な計算によってお市役を作り上げた北川の功績だろう。

 彼女が大河ドラマに出演するのは、『西郷どん』(2018年/NHK総合)であの篤姫を演じたのに続いて2度目。現在は「月9」枠にて放送中の『女神の教室〜リーガル青春白書〜』(フジテレビ系)で主演を務めてもいる。俳優デビューから20周年。そろそろ次のフェーズも見えてきているところなのではないだろうか。まずは『どうする家康』での気高く生きる姿を追っていきたい。

■放送情報
『どうする家康』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
※初回15分拡大版
主演:松本潤
脚本:古沢良太
制作統括:磯智明
演出統括:加藤拓
音楽:稲本響
写真提供=NHK

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