『イルタ・スキャンダル』チョン・ドヨンが不正と戦う 私教育の被害者は子供たち?

『イルタ・スキャンダル』ヘンソンが奮闘

 気になる人がいる。思い出したら笑みがこぼれてしまうし、からかってやりたくていつもと違う時間にわざわざ会いに行く。それが恋ではなくても、なんだか毎日がほんのちょっと彩られる。そうして今日も人気スターの数学講師・チェ・チヨル(チョン・ギョンホ)は“韓国代表 総菜店”に通うのだ。

 『イルタ・スキャンダル〜恋は特訓コースで〜』(Netflixで配信中)では、チヨルと惣菜店の社長ナム・ヘンソン(チョン・ドヨン)がいよいよお互いの存在に気づいてしまった。塾講師と保護者となれば良好な関係を築くのが双方にとって吉だ。いがみ合っていた2人の態度は面白いほどに180度変わるが、ようやく諸々の誤解が解けたとも言えよう。

 今回、話の中心となるのはチヨルが所属するザ・プライド学院の医大対策クラスの選抜試験だ。7人制の狭き門にヘンソンの娘ナム・ヘイ(ノ・ユンソ)は見事合格する。合格の知らせを本人以上に喜び、これまでも講義の席順を確保するために長蛇の列に並んできたヘンソン。ヘイの成績に関心のなかったヘンソンが、今ではすっかり教育ママの仲間入りだ。本当の親子ではなく姪と叔母の関係ではあっても、ヘイのためできることはなんでもしてあげたいと思うのは親心と同じ。チヨルが講師だと知った途端、地に頭がつくほどのお辞儀をする姿は、“親は子供のことになるとみんな弱者になる”との言葉がぴったりとハマる。ヘンソンは自分を犠牲にしてきたかもしれないけれど、賢い娘がいて、優しくて誠実な弟がいて、唯一無二の親友がいる今が恵まれているのだと気づく。そこにある幸せを感じられる瞬間は自分への慰労でもあり活力にもなるだろう。

 ところが、ある保護者の圧力によりヘイの合格が取り下げられてしまった。ここはあくまでも私教育の世界。勉強ができる子ではなく親の権力のある子が優位に立てるのであって平等社会ではない。この一件で怒りが鎮まらないヘンソンだが、どうあがいても事態は変わらず、むしろ抗議をしたことでブラックリストにヘイの名前が載せられてしまう現実を突きつけられる。

 一方で、大人が子どもを操ってしまう現状もある。成績優秀なパン・スア(カン・ナオン)の母親であり“SKYママ”でも有名なインフルエンサーでもあるチョ・スヒ(キム・ソニョン)はスアの気に入らないものを排除してきた。そのせいで思い通りにいかないと気が済まないスアの性格が人を傷つけてしまいそうだ。ヘイを追い出して医大対策クラスに入ったヨンミン(ユジュン)は、その権力を持つ母親に怯えて反発することもできずに陰で非行に走っている。

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