『罠の戦争』壮絶な騙し合いは情報戦の側面も 草彅剛演じる亨が歩む修羅の道
『罠の戦争』(カンテレ・フジテレビ系)第2話では、政治とカネをめぐる攻防が繰り広げられた。釈明会見で偽の原稿を読ませ、犬飼(本田博太郎)の信用を失墜させた亨(草彅剛)の次なるターゲットは政策秘書の虻川(田口浩正)。犬飼の懐刀である虻川は金庫番として裏帳簿を管理していた。虻川を排除するため、亨は眞人(杉野遥亮)に協力を依頼し、虻川の行動に目を光らせる。
なかなかしっぽを出さない虻川。裏帳簿の存在は予想されたが、どこにあるか見当もつかない。勘の良い虻川は亨を警戒し、第二秘書の貝沼(坂口涼太郎)に見張らせる。亨が記者の熊谷(宮澤エマ)に犬飼の息子・俊介(玉城裕規)のスキャンダルをリークしていると考えた虻川は、犬飼を連れて亨を詰問する。だが、亨が見せた写真は犬飼と敵対する女性議員のスキャンダルで、虻川は犬飼の前で赤っ恥をかくことになった。虻川に感づかれていることに気付いた亨が、熊谷と示し合わせて虻川を罠にはめたのだった。
眞人がパーティーで犬飼に近づこうとした理由は兄の浩輝(森田甘路)にあった。浩輝は会社を立て直すため犬飼に陳情したが、「善処する」という言葉は口約束にすぎず、連絡を待ったまま過労死した。浩輝宛の招待状を見て怒りに駆られた眞人は、犬飼に卵をぶつけようとパーティーに足を運んだ。真相を知り、頭に血が上った眞人を押しとどめたのは私設秘書の梨恵(小野花梨)だった。
タイトルの「罠の戦争」が、互いを罠に掛け合う壮絶な騙し合いであることが明らかになった。犬飼に仕掛けた偽の原稿が虻川に対する罠だったように、一つの罠が別の罠の伏線になっている。罠の波状攻撃を仕掛ける亨の深謀遠慮は、相手の罠を逆手にとってかけ返すところにまで及んでおり、ポーカーフェイスの裏でどこまで考えているかが気になる。何をもって罠とするかも難しい。相手にとって罠でも、自分で気づいていなければ罠ではないのではないか。罠の掛け合いが思った通りにいくとは考えにくく、最後まで形勢逆転の可能性は残りそうだ。
シーソーゲームのような騙し合いは情報戦の色合いが濃く、読みの深さがカギを握る。虻川が亨に発した「あんまり自分が賢いと思ってんじゃねえぞ」という言葉がめぐりめぐってブーメランとなって戻ってきたように、一歩油断すれば足元をすくわれかねない。泰生(白鳥晴都)を突き落とした犯人と隠ぺいを命じた人物を探るため虻川に迫った亨は、虻川の口を割らせることはできなかったが、裏帳簿を突きつけることで勝負ありとなった。亨をなめきっている虻川の油断に加えて、眞人や梨恵との連携が決定打になった。