草彅剛、静と動の見事な切り替え “誠実さ”から生まれる『罠の戦争』鷲津亨の説得力

草彅剛の“誠実さ”から生まれる『罠の戦争』

 第1話の後半は、何があっても感情を表に出さなかった鷲津が、見せたことない表情を見せていく。とくに、「(事件の揉み消しを)誰に頼まれたんですか?」と、まるで子どものように犬飼を見つめるピュアな瞳からは、彼が本当に先生を信じていたことが伝わってきて、胸が締め付けられた。

 怒り、戸惑い、悲しみ、すべてがごちゃ混ぜになり、震える口角。そして、ふといつもの顔に戻り、「分かりましたので」と言ったあと、ぐしゃりとリンゴを握りつぶす。この、静と動の見事な切り替え。大声を荒げるわけではないが、ずっと震えている右手と、眉間のシワ、そして噛み締める唇から、彼のなかから込み上げる怒りが伝わってくる。

 権力を振りかざす連中から、その力を奪い取ってやるーー。愛する家族のため、いま静かに激しく動き出した鷲津。昨シーズンの『エルピス—希望、あるいは災い—』(カンテレ・フジテレビ系)に続き、またしても“月10”から応援したくなるヒーローが誕生した。

■放送情報
『罠の戦争』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週月曜22:00〜放送
出演:草彅剛、井川遥、杉野遥亮、小野花梨、坂口涼太郎、白鳥晴都、小澤征悦、宮澤エマ、飯田基祐、本田博太郎、田口浩正、玉城裕規、高橋克典、片平なぎさ、岸部一徳ほか
脚本:後藤法子
演出:宝来忠昭
演出・プロデューサー:三宅喜重
プロデューサー:河西秀幸
音楽:菅野祐悟
主題歌:香取慎吾×SEVENTEEN「BETTING」(Warner Music Japan)
制作著作:カンテレ
©︎カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/wana/

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