門脇麦×田中圭のコンビに期待大! 『リバーサルオーケストラ』で新境地となるか

門脇麦×田中圭のコンビに期待大!

 突如表舞台から姿を消した“天才ヴァイオリン少女”で、現在は市役所職員として目立たず平穏に過ごす主人公・谷岡初音(門脇麦)と、強引すぎる変人マエストロ・常葉朝陽(田中圭)の最強コンビが主人公の日本テレビ系新水曜ドラマ『リバーサルオーケストラ』の第1話が、1月11日に放送される。

 初音が朝陽と共に立て直すことになるのは、地元の崖っぷちポンコツオーケストラ・児玉交響楽団。一度は夢を諦めた者と、最前線で夢に向かって歩み続けている者、夢に向かって邁進する人、不完全燃焼気味な人、自身が夢見ていた未来とは異なる道を歩もうとする者……。様々な人間の“夢”や“理想”、“現実”の狭間で揺れ動く悲喜こもごもが存分に堪能できそうだ。

 さて、本作で夢を追うことを断念した存在として描かれるのが主人公の初音だ。“天才ヴァイオリン少女”の名をほしいままにしながら、10年前にとある理由で表舞台を去る。そんな彼女のひっそりとした穏やかな日々は朝陽に巻き込まれる形で強制終了されるようだが、初音の内に秘めたものの解放や開花を門脇が演じるというのが今から楽しみだ。

 門脇は、『うきわ ―友達以上、不倫未満―』(テレビ東京系)で演じた主人公の主婦・中山麻衣子役でも、二葉さん(森山直太朗)との関係性が深まるにつれ、一方的な庇護の対象ではなく自分の内に眠る本心を見つめ直し、自身の足で立ち歩もうとする姿を体現してくれた。最初は心ここにあらずで浮遊しているような麻衣子の輪郭が、徐々にはっきりと鮮明になるさまに引き込まれた。

 それは映画『あのこは貴族』での主人公役とも通ずる部分がある。最初は敷かれたレールを疑問視せず、当然のこととして受け入れていたところからふとした違和感を見過ごせなくなり、所在なさ気に、だけれども静かな抵抗を続ける姿とも重なる。主人公がたくましく強く変化していくさまを門脇が演じると、本人の性質が正反対に変わったというよりも、実は周囲も本人も気づいていなかっただけでその強さや芯はもともと当人に備わっていたものだということが自然な形で矛盾なく提示されるのだ。『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系)でのライカ役や『親愛なる僕へ殺意をこめて』(フジテレビ系)での雪村京花役でも、作中の重要なキーパーソン役を担った。

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 そんな門脇が、本作で初音が10年前に封印したのであろう夢や記憶、想いと、どう向き合っていくのか、その変化に期待したい。また、門脇がオーケストラのような大人数の集団と対峙したり、組織の一員として描かれる作品はこれまでそうなかったように思える。個性的な楽団員との触れ合いやドタバタ劇の渦中にいる門脇の姿も新鮮に映りそうだ。

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