『どうする家康』松本潤の喜怒哀楽が爆発! 初回からタイトルどおりの急展開

『どうする家康』松本潤の喜怒哀楽が爆発

 物語後半では狼狽する松本の演技が魅力的だ。元康は大高城への兵糧入れを成し遂げたが、桶狭間にて織田信長(岡田准一)によって義元が討ち取られたと知り、激しく動揺する。物見に対し「太守様が討たれたわけがなかろうが! 織田方の、織田の……織田の……織田の……謀じゃ!」と言葉が出てこない場面での取り乱しっぷりは生々しい。思わずその場から逃げ出し、激しい雨の降りしきる中「もう嫌じゃあ〜!」と叫ぶ姿も、本多忠勝(山田裕貴)に一喝されてしゅんとする姿も、本作で描かれる“臆病で優柔不断”な元康らしく引き込まれるが、何より引き込まれるのが織田軍がこちらへ向かっていると知って怯える演技だ。

 「来る」とだけ呟いた元康の目には、信長と過ごした幼少期の過去が紛れもなく映っていた。ガクガクと震え上がる元康に、家臣たちの「どうする!?」が畳み掛ける。初回にして作品タイトルどおりの状態に追い込まれた元康は、どのようにしてこの苦難を乗り越えるのだろうか。

 本作の徳川家康は、歴代の大河ドラマや時代劇で描かれてきた徳川家康像とは違う雰囲気が醸し出されている。近年の大河ドラマでは、『真田丸』では内野聖陽が、『おんな城主 直虎』では阿部サダヲが、『麒麟がくる』では風間俊介が、『青天を衝け』では北大路欣也が徳川家康を演じていた。語り部として登場し、タブレットを駆使する北大路家康の斬新さが記憶に新しいが、SNS上では松本と同じく、徳川家康の幼少期から演じていた阿部サダヲが話題にあがっていた。上記役者陣の演技は視聴者の心に深く残っている。どこか頼りない松本家康も視聴者の心に残る存在感を発揮するはずだ。コミカルな場面とシリアスな場面で松本がどのような演技を見せるのか、そして何より個性的な家臣団や岡田准一演じる信長、阿部寛演じる武田信玄などの戦国武将たちとどのようなセッションを繰り広げていくのか。

■放送情報
『どうする家康』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:松本潤
脚本:古沢良太
制作統括:磯智明
演出統括:加藤拓
音楽:稲本響
写真提供=NHK

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