丸山礼演じる“自サバ女”が愛おしくなる 『ワタシってサバサバしてるから』の不思議な魅力

『ワタサバ』“自サバ女”が愛おしくなる

 “好きになってもらう”という言葉通り、本作は自サバ女の奈美を悪人としてではなく、原作漫画でも感じる、イラっとさせられるけど、観ているうちにちょっと好きになってしまう不思議な魅力を持った女性として描いていく。撮影現場ではかなりアドリブが飛び交っていたようで、芸人力を大いに発揮する丸山のコミカルな言動に周りの共演者たちが思わず笑ってしまう場面もスペシャル動画に映し出されており、一見やっかいな人を嫌われ者に仕立てあげないところに好感がもてた。

 ドラマでは奈美が様々な部署や会社を転々としながら、その先で出会った人たちと交流を重ねていく。その辺りはポンコツだけど、型破りな新入社員・田中麻理鈴が異動した先々で活躍する今田美桜主演のドラマ『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』(日本テレビ系)と近しいものを感じた。同作同様、想像以上にハッピーなオーラを纏うコメディドラマになっているのではないだろうか。

 1stステージは光陵出版社の第一編集部。奈美はそこでトリンドル玲奈演じる、超優秀な新人だが、それを一切鼻にかけない真性サバサバ女の本田麻衣と対峙する。他にも栗原類演じる大手ネット通販会社のCEO・ジェームズや、栗山千明演じる奈美と同じく自サバ女である社長秘書の早乙女京子など、気になるキャラクターが続々と登場。奈美との癖がありすぎる対決は見ものだろう。全20話を予定している本作。最終回までに主人公をみんなに好きになってもらうというミッションを自らに課した新感覚のドラマが始まる。

■放送情報
夜ドラ 『ワタシってサバサバしてるから』
NHK総合にて、1月9日(月・祝)スタート 毎週月曜~木曜22:45~放送(各話15分)【全20回】
出演:丸山礼、トリンドル玲奈、犬飼貴丈、栗原類、鞘師里保、本多力、若月佑美、小林涼子、佐々木史帆、和田正人、マギー、山田真歩、栗山千明、笹野高史、“お魚さん”(ナビゲーター)、アンミカ
原作:とらふぐ、江口心『ワタシってサバサバしてるから』
脚本:福田晶平
音楽:信澤宣明
制作統括:中山ケイ子(FCC)、訓覇圭(NHK)
プロデューサー:大瀬花恵(FCC)
演出:伊藤征章(FCC)
©NHK
公式サイト:https://nhk.jp/watasaba

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる