妻夫木聡が『Get Ready!』で見せる“闇”とは 藤原竜也との化学反応にも期待

『Get Ready!』妻夫木聡の闇キャラ

 妻夫木聡と藤原竜也と共演するTBS日曜劇場『Get Ready!』の放送がスタートする。

 本作は、生きる意味を問いただす医療ヒューマンエンターテインメント。妻夫木演じるエースこと波佐間永介は、パティスリー「カーサブランシェ」のパティシエでありながら、法外な報酬と引き換えに違法なオペをする執刀医という裏の顔も持つ。藤原演じるジョーカーこと下山田譲は、普段は国際弁護士として活動しながら、エースがオペを行う患者との交渉役を担う。ただし、患者はジョーカーとの交渉がうまくいっただけでは安心できない。エースが、突然患者の前に現れ「お前に生き延びる価値はあるのか?」と問う。それが、エースがオペをする患者を選ぶただひとつの基準だ。

 妻夫木と藤原は互いに10代の頃から第一線で活躍し続ける俳優だ。このふたりが、連続ドラマで共演するのは、実は初めてなのだという。妻夫木は映画『ウォーターボーイズ』(2001年)でシンクロナイズドスイミングに取り組む男子高校生を演じて大ブレイクすると、その後もドラマや映画に次々と出演。妻夫木が得意とするのは、『ブラックジャックによろしく』(2003年/TBS系)や映画『春の雪』(2005年)、『危険なビーナス』(2020年/TBS系)で見られるような、誠実で優しさもあるが、ちょっと弱気で頼りないキャラクターだろう。周りや運命に振り回され、その温厚そうな顔がいつも困り顔に見えてしまう。

 一方の藤原には、命を賭けるのも厭わないような、闇を背負った役がよく似合う。藤原は、蜷川幸雄演出の舞台『身毒丸』で、幼い頃に死んだ母を恋しく思い、その姿を求めて街をさまよう少年を演じると、中学生同士が殺し合いをするという衝撃的な内容の映画『バトル・ロワイアル』(2000年)で主演に。大河ドラマ『新選組!』 (2004年/NHK総合)では、剣の才能があったが若くして肺結核で亡くなった沖田総司を演じた。現在は、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』に父となったハリー・ポッターとして出演している。ハリーも闇の魔法使い・ヴォルデモートによって両親を殺され、ホグワーツ魔法魔術学校の学生時代はずっとヴォルデモートと戦っている。そんなハリーが背負ってきたものを藤原は、父となったことで生まれた優しさも交ぜつつ、体現している。

 ふたりは20年前、山本周五郎の時代小説を原作とした単発ドラマ『SABU 〜さぶ〜』(テレビ朝日系)で共演を果たしているが、この時は、人間不信に陥り、復讐を炎を燃やす栄二役を藤原が、その栄二とかけがえのない友情を築き、彼を救っていくさぶ役を妻夫木が演じている。どちらもふたりのイメージに合った役といえる。

 しかしながら、今回の『Get Ready!』は『SABU 〜さぶ〜』やふたりのイメージとは異なるキャラクターの組み合わせだ。今までの妻夫木と藤原の組み合わせを「陽×闇」とするならば、『Get Ready!』は「闇×闇」。しかもエースとジョーカーは互いに相棒ともいえる存在。この関係性を凄腕オペナースのクイーン(松下奈緒)と若き万能ハッカーのスペード(日向亘)を含めてどのように魅せてくれるのだろうか。あまり見られない妻夫木の闇の演技とともに期待したい。

■放送情報
日曜劇場『Get Ready!』
TBS系にて、1月8日(日)スタート 毎週日曜21:00~21:54放送
出演:妻夫木聡、松下奈緒、日向亘、一ノ瀬颯、三石琴乃、橋本マナミ、當真あみ、結城モエ、中山麻聖、田野倉雄太、長見玲亜、矢島健一、片山友希、菅原卓磨、吉田涼哉、川本光貴、伊武雅刀、鹿賀丈史、藤原竜也
第1話ゲスト: 池松壮亮、入江甚儀
演出:堤幸彦、武藤淳、山本剛義
脚本:飯野陽子、山田能龍、川邊優子、金沢知樹、渡辺啓
プロデュース: 武藤淳、植田博樹、鈴木佳那子、市山竜次、佐井大紀
音楽:ノグチリョウ
制作協力:オフィスクレッシェンド
製作著作:TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/getready_tbs/

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