すなくじらの「2022年 年間ベストアニメTOP10」 今年のアニメ作品は“しんどさ”が軸に

 リアルサウンド映画部のレギュラー執筆陣が、年末まで日替わりで発表する2022年の年間ベスト企画。映画、国内ドラマ、海外ドラマ、アニメの4つのカテゴリーに分け、アニメの場合は、2022年に日本で劇場公開・放送・配信されたアニメーションから、執筆者が独自の観点で10作品をセレクトする。第4回の選者は、下町育ちのエンタメライターのすなくじら。(編集部)

1.『メイドインアビス 烈日の黄金郷』
2.『アイドリッシュセブン Third BEAT!』
3.『チェンソーマン』
4.『ヴァンパイア・イン・ザ・ガーデン』
5.『シャドーハウス 2nd Season』
6.『その着せ替え人形は恋をする』
7.『ようこそ実力至上主義の教室へ 2nd Season』
8.『僕のヒーローアカデミア 第6期』
9.『盾の勇者の成り上がり Season2』
10.『薔薇王の葬列』

 2022年のアニメの総評として、既にアニメファンから定評を得ている作品の「続編ラッシュ」が続いた印象がある。リコがようやく辿り着いた深界六層を描く『メイドインアビス 烈日の黄金郷』や、超常解放戦線にてヴィラン連合の結束を感じさせた『僕のヒーローアカデミア』第6期、綾小路の覚醒がいよいよ顕著になった『ようこそ実力至上主義の教室へ』2期など、ファン待望の作品の続編放送が相次いだ。原作の中での最大の山場をアニメとしてついに迎えた作品も多く、毎シーズンこちらの予想をはるかに超えるクオリティの新作アニメに心を躍らせたことをよく覚えている。

 一部例外はあるものの、結果として振り返ると「救いようのない過酷さを描いた作品」が今年のベスト10に多くランクインする形となった。10作の中では『チェンソーマン』や『シャドーハウス』などはダークな過酷さが比較的わかりやすい作品ではある。作品ごとに“過酷さ”をどの場面に、どんな形で盛り込んでいるのかは、そのアニメの色が出る部分だ。

 しかし、どの作品を観ても共通して、暗いニュースも飛び交う現代にこそ、前向きなエールを送ることだけがアニメの役割ではないと感じさせられた。自分の力だけではどうにもならない無力さも含めて乗り越えていく強さや美しさを描いた作品がグッと鮮明に印象に残る、そんな1年であった。

 以下、ベストアニメTOP10のうち上位5作品を解説しよう。

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