2022.12.23 17:00

田中俊介×山谷花純×平波亘監督『餓鬼が笑う』鼎談　『鎌倉殿の13人』での奇跡的な再会も

文＝宮川翔、写真＝池村隆司、動画＝井口聖也

『鎌倉殿の13人』での奇跡的な再会

ーー田中さんと山谷さんは今回が初共演になるんですよね。

田中：共演自体は初めてだったんですけど、共通のお世話になっている監督だったりを通して、お会いする機会が結構前からあったんですよ。はじめましてなんですけど、はじめましてじゃない感覚というか。「あれ、一緒にお芝居したことある気もするな」みたいな、不思議な感じでした。

山谷：私、そういう方が結構周りにたくさんいるタイプの人間なんですよ。すごく仲が良かったり、よく会っていたり、話していたりする人ほど、あまり一緒にお仕事をしたことがないという。

田中：でも一緒にお芝居をしてみたいなとずっと思っていたので、念願叶っての共演でした。最初にヒロインが山谷さんと聞いたときは、「ついにやれる！」と思って、すごく楽しみでしたね。

山谷：嬉しいです。私も初めてそういう関係から脱して、今回こうやって一緒に作品を作れたということがすごく嬉しかったです。

ーーお二人とも『鎌倉殿の13人』（NHK総合）に出演されていましたが、共演シーンはなかったんですね。

山谷：そういえばこの前会ったんですよ！

田中：そうそう、たまたま『鎌倉殿の13人』の現場でお会いして。

山谷：同志と会ったような感覚で、嬉しかったです。ちょっと握手しましたよね？

田中：そうなんですよ。ここで会ったね、みたいな感じで（笑）。

山谷：お互いついにここまできたか、みたいな（笑）。パートが違うので、絶対会えないだろうなと思っていたら、本当にたまたま奇跡のようなスケジュールの日があったんですよね。

田中：前室でバッタリ会って、「あー！」ってなって。めっちゃ嬉しかったですね。

山谷：大河ドラマの現場でどこにいたらいいのかわからないソワソワしているときに、「あー！　田中さん!!!」みたいな（笑）。

ーーこの作品を経ての『鎌倉殿の13人』での再会はアツいものがありますね。それこそ大河ドラマのようなメジャーな作品からアート系の作品まで、田中さんは幅広いジャンルの作品に出られているイメージがありますが、今回の『餓鬼が笑う』の経験で何か新しかったことはありますか？

田中：『餓鬼が笑う』は、昔から付き合いのあるキャストやスタッフの方がめちゃくちゃ多かったんですよ。今まで一緒にお仕事した方はもちろんですけど、山谷さんみたいに面識はあるけどお芝居はしたことがなかった方もすごく多くて。そういう現場ってなかなかないので、今回は本当にそれが嬉しかったです。平波さんのあたたかい現場で、みんなで一致団結して映画を作る楽しさを味わえるが、とにかく嬉しくて。ずっと高揚しながら彷徨い続けていました。

ーー山谷さんは逆にこういうタイプの作品に出演されるのが結構意外でした。

山谷：私はもともと映画が大好きで。それこそ『餓鬼が笑う』のオーディションを受けさせていただいた年に、もっと映画に関わりたいということをマネージャーさんに自己申告したんですよ。なので、私にとってはそういうチャレンジをしていこうというタイミングでの重要な作品でもあって。もう1回初心に戻らせてもらった時間でもありましたね。田中さんと平波さんのような、そういう関係性を持つ人たちの輪の中に私も交えてもらったので、今後もどんどんそういう繋がりが広がっていけば嬉しいです。

平波：そこまで予算がない環境の中でも、キャストやスタッフの皆さんがノリノリで楽しんでやってくれているのは、自分にとってもすごくやりがいがありましたし、楽しかったですね。日本映画の中でも珍しい作品になっているので、ぜひたくさんの方に観ていただきたいです。

映画『餓鬼が笑う』田中俊介さん×山谷花純さんからメッセージ到着！

■公開情報
『餓鬼が笑う』
12月24日（土）より、新宿K’s cinemaほか全国順次公開
出演：田中俊介、山谷花純、片岡礼子、柳英里紗、川瀬陽太、川上なな実、田中泯、萩原聖人
監督・脚本・編集：平波亘
企画・原案・共同脚本：大江戸康
主題歌：eastern youth「今日も続いてゆく」
プロデューサー：鈴木徳至
製作：大江戸美術、コギトワークス
配給：ブライトホース・フィルム、コギトワークス
制作：コギトワークス
2021年／105分／ビスタ／カラー／5.1ch
©️OOEDO FILMS
公式サイト: https://gaki-movie.com