『舞いあがれ!』目黒蓮が赤楚衛二にマウントを取る 空気の読めない舞の行動は計算?

『舞いあがれ!』目黒蓮が東大阪の面々に挨拶

 これからも一緒に空が飛びたい――帯広のブルーサルビアが咲く丘で互いの思いを通じ合わせた舞(福原遥)と柏木(目黒蓮)。『舞いあがれ!』(NHK総合)第11週「笑顔のフライト」第55話では、正式なカップルとなった2人が航空学校のある帯広からそのまま東大阪へと直行する。柏木にとっては東大阪経由の東京行き。その遠回りの理由は本場のお好み焼きが食べたいから、というのは表向きであり、本当の目的は舞の両親への挨拶にあった。

 玄関のドアを開ける舞に続き、ひょっこりと姿を見せる柏木。「(なるほど)」と状況を察したような笑顔のめぐみ(永作博美)に対して、浩太(高橋克典)の動揺は激しい。そこに柏木から「お父様」とベタに呼ばれ、凍りついた表情はさらに仏頂面へと変化を遂げる。その気まずい空気に堪えきれず、思わず舞は「友達。めっちゃ仲良い友達!」と紹介し、今度は柏木の心を揺らしてしまうのだった。柏木はこの対面で自分が理解を求めるべきは、舞の父だということを瞬時に判断したことだろう。こういう時こそ過信はせず、自分がいる位置(立場)を確認するのが大事である。

 柏木を歓迎(若干の探りを入れつつ)する「うめづ」や「IWAKURA」の面々だったが、浩太は一人憤っていた。かつて、舞がなにわバードマンのサークルメンバーを工場に連れてくると言った時、結城(葵揚)に「彼氏の1人や2人」と冗談混じりに言われていたことが現実に目の前で起こっているからだ。「まだまだ子供やな」と安心しきっていたあの頃とはもう違うのだ。岩倉家からうめづまでの移動に関しては視聴者が埋める余白であるが、笠巻(古舘寛治)と結城を急遽呼んだのは浩太なのは言うまでもないだろう。2人が浩太を囲むように、そして浩太は遠くから柏木を観察するように座っている。

「柏木さんが“寮の部屋”でいろいろ教えてくれてん」
「舞さんは難しい課題にも真剣に向き合っていました。僕はそんな舞さんの姿に惹かれて……」

 話すたびに綻びが出てしまう舞と柏木。帰省祝いの場だというのに、どこか煮え切らない空気に責任を感じ、柏木は意を決して「僕は舞さんのことが好きです。真剣にお付き合いしたいと思っています」と浩太とめぐみに向け挨拶をする。正直に思いを告げる、その誠実な姿に浩太が柏木に手渡すのはビールグラス。浩太から注がれるビールが、交際相手としての許しの証だ。めぐみが見せた安堵の表情は浩太に対してであろう。

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