『チェンソーマン』デンジが立ち止まって考える死生観 アキが岸辺の“100点”ではない理由

 ドライといえば、シリアスなことを考えていても仕方ないとすぐに切り替えるデンジや、今回岸辺に一泡吹かせようと“インテリ作戦”を実行したパワーとの絡みも含め、アニメには今ひとつそのカラッとした雰囲気が欠けているように感じた。それを強く印象付けたのは、第8話、第9話における死の描き方。姫野の死も、もちろん原作でかなりエモーショナルな(そしてその後の展開に大きく繋がっていく)シーンではあるが、本来『チェンソーマン』はバタバタと人が死んでいく作品だ。しかし、その人の死をドライに描くからこそライトに読み進めることができたが、アニメ版は情緒豊かで繊細なぶん、死が重く描かれている。次回の岸辺特訓によって何度も死ぬデンジとパワーの“軽い死”を描きまくることで、その雰囲気のバランスも取れるかもしれない。

 カースの力を使ったことで寿命があと2年と宣告されてしまったアキは、未来の悪魔と契約する。果たして、今後の4課の運命はいかに。

■放送・配信情報
『チェンソーマン』
テレビ東京ほかにて、毎週火曜24:00〜放送
Prime Videoにて、毎週火曜25:00〜最速配信
各プラットフォームにて、毎週水曜25:00〜見逃し配信
キャスト:戸谷菊之介(デンジ)、井澤詩織(ポチタ)、楠木ともり(マキマ)、坂田将吾(早川アキ)、伊瀬茉莉也(姫野)、高橋花林(東山コベニ)、八代拓(荒井ヒロカズ)、津田健次郎(岸辺)、内田真礼(天使の悪魔)、花江夏樹(サメの魔人)、内田夕夜(暴力の魔人)、後藤沙緒里(蜘蛛の悪魔)、大地葉(沢渡アカネ)、濱野大輝(サムライソード)
原作:藤本タツキ(集英社『少年ジャンプ+』連載)
監督:中山竜
脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:杉山和隆
アクションディレクター:吉原達矢
チーフ演出:中園真登
悪魔デザイン:押山清高
美術監督:竹田悠介
色彩設計:中野尚美
画面設計:宮原洋平
音楽:牛尾憲輔
オープニング・テーマ:米津玄師「KICK BACK」
挿入歌:マキシマム ザ ホルモン「刃渡り2億センチ」
エンディング・テーマ:
ano「ちゅ、多様性。」
Eve「ファイトソング」
Aimer「Deep down」
Kanaria「大脳的なランデブー」
syudou「インザバックルーム」
女王蜂「バイオレンス」
ずっと真夜中でいいのに。「残機」
TK from 凛として時雨「first death」
TOOBOE「錠剤」
Vaundy「CHAINSAW BLOOD」
PEOPLE 1「DOGLAND」
マキシマム ザ ホルモン「刃渡り2億センチ」
アニメーションプロデューサー:瀬下恵介
制作:MAPPA
©藤本タツキ/集英社・MAPPA
公式サイト:https://chainsawman.dog/
公式Twitter:@CHAINSAWMAN_PR

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アニメシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる