『君の花になる』“別れ”という受け入れがたい愛のカタチ ピンチで見えた8LOOMの変化
大好きだから、幸せになってほしいから、別々の道を歩む。そんな愛のカタチもある……とはわかっていても、やはり「別れ」というのはなかなか受け入れがたい。火曜ドラマ『君の花になる』(TBS系)がクライマックスを迎えている。
あす花(本田翼)と弾(高橋文哉)との距離の近さがスクープされ、8LOOM(ブルーム)の前からそっと姿を消したあす花。だが、弾はなかなか気持ちを切り替えられない。ボーイズグループとして活動していても、誰かを好きになる気持ちは間違っていないはず。そもそもあす花とは「花丸を付け合う関係」でとどまっており、誰にも謝る筋合いはないはずだ、と。
そんな意思の強さは弾の強みでもあり、弱点でもある。そんな弾に代わって8LOOMを守ろうと、嫌われ役を買って出たのがなる(宮世琉弥)だ。これまで「8LOOMの役に立てていない」と悩んでいた彼だからこそ、心を鬼にして応援してきた2人の仲を引き裂く立ち回りをしていたのではないかと思うと、胸が痛む。
そう、このピンチで改めて見てきたのは8LOOMメンバーのいいところ。これほどのピンチに陥っても変わらずに「ここ以外に俺らの居場所なんてねーから」と場を明るく盛り上げてくれる有起哉(綱啓永)。混乱の元凶である弾に対して「ひとりでつらかったよね」と寄り添う栄治(八村倫太郎)。むしろ「味方でいれなくてごめんね」と弾を守れなかったとさえ感じてしまうピュアな竜星(森愁斗)。
「俺たちには弾と弾の歌が必要やねん」と弾が一番うれしいであろう言葉を伝えてくれるリーダーの宝(山下幸輝)。弾の自由意志を尊重するように、あす花の居場所を伝える巧(NOA)。そして、弾の心が100%8LOOMに向くそのときまでグループを引っ張り続けてきた、なる。
“互いを思い合う”とは、関係性がうまくいっていないときにこそ見えてくるもの。これほど8LOOMメンバーのいいところが見えたものだから、余計に弾が口にした「解散」の言葉が突き刺さる。それは、あす花が弾のもとを去っていったのを理解できたからこその言葉だろうか。「8LOOMがみんなを縛るものになってほしくない」のだと。