『君の花になる』“別れ”という受け入れがたい愛のカタチ ピンチで見えた8LOOMの変化

『君の花になる』別れという“愛”のカタチ

 思い返せばついこの前まで、8LOOMはクビ直前の崖っぷちボーイズグループだった。商店街のイベントでさえ「着ぐるみショーとして出てくれればいい」と言われていたくらいの認知度。メンバーの気持ちもまとまらず、契約打ち切りになるのも致し方ないと言わんばかりのモチベーション。そんな落ちに落ちたところから、人気グループと呼ばれるまでに這い上がってきた。それは、誰が見ても「良い」変化。しかし、良くも悪くも変化するということは、見えてくるものが変わってくる。

 なるはPV監督の経験を経て「やりたいこと」が見えてきた。栄治は高学歴キャラだけではなく、さらに学び続ける目標ができた。そして竜星と宝はダンスを、巧は音楽作りを、それぞれ追求したいと願うようになった。時が流れるのを止められないように、人は常に変わり続ける。より高みを目指すほどに、現状維持ではいられなくなる。

 人との出会いで驚くほど考え方が変わることもあるし、これを逃したら二度と手に入らないようなチャンスが舞い込んでくることもある。8LOOMがあっという間にSNSで広まったように、1日で環境がガラリと変わることだってある時代だ。そんなターニングポイントとなる出来事は、誰も予想ができない。しかも、それが7人もいれば、なおのこと。だからこそグループで足並みを揃えるというのは並大抵のことではないのだとわかる。

 現実世界でも、同じようにアーティストたちの決断に涙を流したファンも少なくないだろう。ライブを観ながら「この時間が終わらなければいいのに」と永遠を願ってしまうのは、きっとそれが無理なことを知っているから。

 そして、このドラマの終了と共に期間限定で結成された8LOOMは、現実でも活動を終えることになるのではないかと言われている。最初から「いつか終わりがあるもの」とわかっていても寂しい限りだ。このドラマを通じて、各キャストの魅力はしっかりと伝わった。これからそれぞれの活躍を楽しみにしつつも、やはり「別れ」というのはなかなか受け入れがたい。

■放送情報
火曜ドラマ『君の花になる』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:本田翼、高橋文哉、宮世琉弥、綱啓永、八村倫太郎、森愁斗、NOA、山下幸輝、志田彩良、菊田竜大(ハナコ)、川津明日香、木南晴夏、宮野真守、内田有紀、竹中直人、夏木マリ
脚本:吉田恵里香
プロデューサー:黎景怡、宮﨑真佐子
演出:坪井敏雄、加藤尚樹、宮崎陽平
製作著作:TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/kiminohananinaru_tbs/
公式Twitter:@kimihana_tbs
公式Instagram:kimihana_tbs
公式TikTok:@kimihana_tbs

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