『silent』涙ながらに語る目黒蓮が体現した想の苦悩 時を経て母との溝が埋まる
“聞こえないこと”を受け入れていくためには時間がかかる。『silent』(フジテレビ系)の第9話では、想(目黒蓮)とその家族が悩みながら一歩ずつ前に進んできた様子が描かれた。時にぶつかりながらもゆっくりと埋まっていく家族の溝と、紬(川口春奈)や湊斗(鈴鹿央士)との再会から変化していく想の姿はまるで雪解けを思わせる。
想の耳が遺伝性の病で聞こえなくなり始めた頃、律子(篠原涼子)は心配な気持ちと同時に責任を感じていた。だが、なんとかしてあげたいという気持ちは空回るばかり。その頃、妊娠した姉の華(石川恋)は自分の子供が想と同じように遺伝のせいで耳が聞こえなくなるのではと不安を抱えていた。それにもかかわらず律子が想ばかりを心配していることに、華はもやもやした気持ちを抱えるのだった。親の立場になれば、誰しもが自分の子を真っ先に思わずにはいられないものだ。その後、華の子どもは聴力に問題がないことがわかる。
時を経て帰省した想と律子は向き合って話すことができ、お互いの気持ちをしっかりと理解し合えるようになる。時間はかかったものの、佐倉家はゆっくりと前進していた。そして想は、東京に戻ってきてからどこかすっきりとした表情で紬(川口春奈)と会うのだった。
耳の病気が発覚してから、補聴器を使っても聞こえづらいほどになってしまった想は、心の中でたくさん傷つき、たくさんの葛藤を抱え、それを乗り越えてきた。 “聞こえなくなっていく”という現実に動揺し、なかなか受け入れられず苦しむ想の姿はあまりに痛ましい。