堀未央奈が語る、女優としての現在地 好きなことに気付けたのは「1人になったから」
日本テレビ系にて放送中のドラマ『祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録』に堀未央奈が出演している。乃木坂46卒業後、『サレタガワのブルー』(MBS/TBS)、『理想ノカレシ』(TBS系)と出演を重ね、個性が強いキャラクターを中心に演じてきた堀。今作で演じるのは、Kis-My-Ft2の玉森裕太演じる研修医の良太の同期・橘麻友。橘はポップで明るい空気感のあるキャラクターで、堀がこれまでに演じてきた役とはまた違った印象だ。
堀は橘を演じるにあたり、どのような役作りをしたのか。女優として心がけていることから、撮影の裏側、休日の過ごし方までを聞いた。(編集部)
「本当はお酒を飲んで演じたいくらい(笑)」
――堀さんが演じている橘麻友の印象について聞かせてください。
堀未央奈(以下、堀):台本をいただいたときは、私にないキャピキャピ感があって、すごく自由で明るい子だなと。常に何か楽しいことを探していて、仕事に対しても楽しみとやりがいを見つけながら頑張ろうとしてる姿が、“ポジティブの世界に生まれた女の子”という感じがして魅力的だなと思いました。
――ご自身に似ている部分はありますか?
堀:素直というか、嘘をつかないところかな? 私は喜怒哀楽があまり表に出ないけど、自分の中にその感情はすごくあって。仲のいい子にはすぐバレるんですけど(笑)、嫌なときは嫌だし、嬉しいときは嬉しいと、感情に対して嘘をつかないところは似てるかもしれないですね。
――今回の役を演じるにあたって、どんな準備をされましたか?
堀:研修室で糸結びの練習をするシーンがあるので、動画と練習キットを使ってクランクイン前から練習しました。あとは病気や病院の詳細がまとめられた紙をいただいたので、それはしっかりと読みました。ちゃんと理解して演じた方が自分としても演じやすいし、伝わるかなと思ったので。本当にすべてが未知だったので、「どうして病気になってしまうのか」とか、病院の仕組みについては、自分でも調べて準備しました。
――しっかりと理解を深めた上で、演じられているんですね。
堀:もちろん、実際に今まで研修医としてやってきたわけではないので、すべてを理解するのは難しいと思います。でも、自分なりに病気について理解しようとする姿が、麻友ちゃんの奮闘している姿とリンクする部分もあるかなと思うので、時間があまりない中でも、できることはやろうと思いました。
堀:本当は、お酒を飲んで演じたいくらいなんです(笑)。それくらい素の私と麻友ちゃんには高低差があって、(お酒を飲んじゃ)駄目かなって何度も思ったんですけどね……まぁ駄目なんですけど。最初の頃は、自分なりに明るく演じても、声のトーンや表情が「まだまだ落ちてる」と指摘されることがあって、「(ため息まじりに)もっとかぁ」みたいな。「自分じゃない」と思わないと、あそこまでは振り切れないですね。だから、ドラマを観た方は麻友ちゃんのイメージで私を覚えてくださると思うんですけど、その後、バラエティ番組とかで見たときには声が低いし、ずっとボケッとした顔をしてるし、ギャップがあると思うので、そこはもうご了承いただきたいなと(笑)。あんなにかわいい感じじゃないです。
――ちなみに、お酒を飲むと愉快になるタイプ?
堀:ですね。少し飲んだ程度では変わらないんですけど、長く飲むと楽しくなっちゃいます(笑)。
――現場の雰囲気を教えてください。
堀:みんなが朗らかで、ふわふわしてます。全体的に空気感が似ているので、話すときはみんなで盛り上がるし、各々がボーッとしてるときはボーッとしてるし、すごく居心地がいいです。ただ、本番になると結構アドリブがあったりもして。みんなの中に、きっと共通して「研修室のシーンは他の医療シーンとは分けて、ちょっとまったりとした雰囲気にしたい」という思いがあるので、みんながスイッチを切り替えてやっている感じがします。
――玉森さんの座長ぶりはいかがですか?
堀:一番ゆるふわなオーラがあるので、みんなの癒し的な存在になっていると思います。お茶目なんでしょうかね。ちょっと小ボケをしてるところをちょくちょく見かけるんですけど、それでスタッフさんとかもニコニコ楽しそうにしてるので、そういうお茶目な座長がいるから、みんなが柔らかい雰囲気でいられるんだなと思います。
――小ボケとは、たとえば?
堀:なんだろう、全然覚えてないくらいの小さな……(笑)。ボソッと何かを言って、フフフみたいな。玉森さんって、一見ジョークとか言わそうじゃないですか? でも、意外とそういうタイプなんだなって、印象が変わりました。
――玉森さんの役者としての魅力についても聞かせてください。
堀:すごく自然体だなと思います。諏訪野は、カメラが回ってないときの玉森さんの空気感と、役者としての玉森さんが混ざっているように見えるんです。ふだんアイドルをやられているときのキラキラ感とはまた違った魅力があって、「すごい大先輩だな」と思いますね。さっきまでみんなと話して笑っていたのに、気づいたら諏訪野になっている。(池田)エライザちゃんや他のみなさんもそうですけど、そこがやっぱりすごいです。
――今回、堀さんはかなりスイッチを入れないと演じられない役どころですしね。
堀:そうなんです。私が素の状態で撮影に入ったらローテンションになってしまうので、ちゃんと気合いを入れて。直前まではめっちゃ低い声で喋っていて、カメラが回った瞬間にキャーキャーして、またカットがかかったら、しっとりと座っています(笑)。
――先ほどアドリブもあるとのお話でしたが、堀さんもアドリブを?
堀:私はキャラ的にもあまり入れられないので、入れられる方が羨ましいです。男性陣がわりと自由なので、ちょっとふざけるような絡みのシーンでアドリブを入れて、みんなが笑っちゃったり。矢本(悠馬)さんは本当にしれっとアドリブをするので、セリフなのかアドリブなのかわからなくなるときもあって。すごい役者さんだなと思います。