生田絵梨花、松村沙友理、堀未央奈、北野日奈子 秋ドラマで辿る乃木坂46卒業生の軌跡
11月4日、乃木坂46の齋藤飛鳥が31枚目シングル「ここにはないもの」の活動をもって卒業することが発表された。いつかはこの日が来ると分かっていたものの、やはり突然の卒業発表の通知は、何度経験しても慣れることはない。しかし、乃木坂46初期の頃と比べると、その衝撃や寂しさはいくらか薄らいだようにも感じる。それは、これまでに卒業していったメンバーたちが芸能界で活躍し続ける姿を、毎日のように見聞きしているからだ。卒業ライブが永遠の別れでは決してない。そうした事実を、卒業生たちの活動が証明している。
たとえば乃木坂46で一般的に“エース”と認知されていた白石麻衣と西野七瀬は、映画にドラマに引っ張りだこだ。さらに伊藤万理華や深川麻衣、桜井玲香など、演技を軸に活躍している卒業生は名前を挙げていけば枚挙にいとまがない。高山一実はバラエティの可能性を拓き続けているし、生田絵梨花はミュージカルを中心に歌の表現を追求している。卒業生それぞれが自分のやりたいことを軸に、今も活動の幅を広げているのだ。そこで今回は、現在放送中の秋ドラマに出演している4人の卒業生の活躍に焦点を当てる。
乃木坂46卒業生、なぜ舞台・ドラマ出演作が途切れない? 土台となった『プリンシパル』
生田絵梨花や白石麻衣、西野七瀬など、乃木坂46を卒業したメンバーの俳優としての躍進が著しい。そう言い切れるのは、新たな出演作が絶…
まずはなんと言っても、月9ドラマ『PICU 小児集中治療室』(フジテレビ系/以下『PICU』)にレギュラー出演している生田に触れるべきだろう。『PICU』では、吉沢亮演じる志子田武四郎の幼なじみで、妊婦の涌井桃子を演じている。涌井は落ち着いた女性ながらも頻繁に笑顔を見せてくれるキャラクターで、冷静さと愛嬌が同居する振る舞いは、乃木坂46でも後輩の面倒をしっかりと見るようになった頃の生田に近いものを感じるのは筆者だけだろうか。
アイドル時代から持ち前の演技力と歌唱力を活かして『ロミオ&ジュリエット』や『レ・ミゼラブル』などの舞台で活躍していた生田を、「尊敬する先輩」として名前を挙げるメンバーは多い。それは、単に“アイドルの枠を越えた仕事”を多くこなしていたからではなく、自分の夢に向かってストイックに努力を重ねる姿を見せていたからだろう。生田は今年だけでも映画『コンフィデンスマンJP 英雄編』に出演、夏期ドラマ『オールドルーキー』(TBS系)から『PICU』に続き、その後も映画『Dr.コトー診療所』への出演が決まっている。そして来年にはミュージカル『MEAN GIRLS』への出演も控え、今も夢を叶え続けているメンバーの筆頭といっても過言ではない。
生田絵梨花、看護師役で映画『Dr.コトー診療所』出演決定 「喜びを噛み締めていた」
12月16日に公開される吉岡秀隆主演映画『Dr.コトー診療所』に生田絵梨花が出演することが決定した。 2003年、フジテレビ…
そんな生田と乃木坂46時代では「からあげ姉妹」というユニットを組んでいた松村沙友理は、『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(ABCテレビ/以下『推し武道』)で地上波ドラマ初主演を果たした。『推し武道』では、地下アイドルの”ChamJam”(チャムジャム)の人気最下位メンバー・市井舞菜の熱狂的なファンのえりぴよを演じている。元国民的アイドルが、地下アイドルのファンを演じるという構図が面白い同作だが、そうしたメタ的な視点を抜きにしてもえりぴよのキャラクターに違和感を感じないどころか魅力的にすら感じるのは、松村の演技力と愛嬌の賜物だ。
松村沙友理、ぶち当たった大きな壁と芝居への意欲 「自信がないからこそ逆に面白い」
2021年7月13日に乃木坂46から卒業した松村沙友理。卒業と同じタイミングでの放送開始となった連続ドラマ『プロミス・シンデレラ…
グループ在籍中はバラエティでの活躍が目立っていたため、卒業後に俳優業を中心に活動していくのを意外に感じた人は多かった。しかし、継続してバラエティ番組に出演しつつも、『プロミス・シンデレラ』(TBS系)、『農家のミカタ』(テレビ東京系)、『愛しい嘘〜優しい闇〜』(テレビ朝日系)、『花嫁未満エスケープ』(テレビ東京系)と出演作を重ね、『推し武道』で主演を飾るに至るまでの流れを見ると、もはや一人の女優として羽ばたいたと言えるだろう。
そして、2期生のエースとしてアイドル時代を駆け抜けた堀未央奈は、『祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録』(日本テレビ系/以下『祈りのカルテ』)でKis-My-Ft2の玉森裕太や池田エライザらとともに研修医の橘麻友役で出演している。
堀の持ち味はセルフプロデュース力の高さだ。グループ在籍中も自分の理想のアイドル像を貫き、時にはキッパリと意見を述べる堀の唯一無二のキャラクター性が人気を得ていた。卒業後はYouTubeチャンネルを開設、アイドル時代もずっとやりたいと語っていた美容系の動画を中心にアップする一方で、精神衛生のためコメント欄は封鎖するなど思い切りの良さは健在だ。
堀未央奈、不倫妻役は「楽しみながら」 結婚観から乃木坂46卒業後の女優業まで語る
MBS/TBSドラマイズム枠にて放送中のドラマ『サレタガワのブルー』。本作は、集英社の女性向けマンガアプリ「マンガMee」での連…
映像作品には『サレタガワのブルー』(MBS/TBS)、『理想ノカレシ』(TBS系)と出演を重ね、エッジの効いたキャラクターを中心に演じてきた。『祈りのカルテ』ではまだ大きな見せ場はないものの、名だたる俳優たちのなかにあってもたしかな存在感を示している。それは、もともと備えている演技力の高さに加え、つい目で追ってしまうような振る舞いをする堀の魅力が発揮されているからであり、諏訪野(玉森裕太)とのペアで堀がフィーチャーされる回を楽しみに待つばかりだ。