『舞いあがれ!』福原遥と濱正悟が“なんで今?”に困惑 チームの絆が孤独な戦いを支える
最も変わったのは、チームプレイに対する姿勢だろう。パイロットになったら、客室乗務員や管制官、整備士など、さまざまな人たちと意思疎通を取る必要がある。にもかかわらず、舞たち同期6人は最初まとまりがなく、柏木をはじめ、チームプレイを不要と考えているメンバーが多かった。だけど、舞の働きかけにより少しずつ歩み寄り、今では互いを鼓舞し合う仲に。中間審査当日の朝、食堂で円陣を組む舞たちは他のどこのチームよりも団結力に長けているように見えた。
もちろん、審査中は孤独な戦いだが、仲間とともに訓練に励んだ時間が力となる。一時期はスランプに陥った柏木も、みんなとのイメージフライトの成果もあり、本番は落ち着いて飛行機を操縦することができた。舞はというと、一度目は着陸寸前に横風に遭い、失敗。すぐさま「Go Around(ゴーアラウンド)」を宣言し、着陸のやり直しを行う。二度目は無事に着陸することができたが、センターラインを外してしまった。だが、一度目で無理に着陸せず、安全を考慮してやり直しという判断を即下せた点に関しては評価されるのではないだろうか。
それよりも心配なのは、柏木、舞と同チームの水島(佐野弘樹)だ。いつも楽観的な水島だが、自分の出番を前にした彼の手は小刻みに震える。以前のフライト訓練で航空交通管制の指示を復唱せず、「ラジャー」と曖昧に答えたことを大河内教官から指摘されていた水島。明確な課題があるものの、それに対して水島が向き合ってきた形跡がなく、いつも舞や柏木の課題克服につきあってばかりだった。水島のようなお調子者キャラが染み付いている人は本人も弱音が吐きづらいし、周りも異変に気付きにくい。どこかでその膿を出せるタイミングがあれば良かったが……。すでに中間審査が始まってしまった今、もはやどうにか全員合格してほしいと願うことしかできない。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月、目黒蓮、長濱ねる、高杉真宙、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、吉谷彩子、鈴木浩介、高畑淳子ほか
作:桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太
音楽:富貴晴美
主題歌:back number 「アイラブユー」
制作統括:熊野律時、管原浩
プロデューサー:上杉忠嗣
演出:田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐ほか
主なロケ予定地:東大阪市、長崎県五島市、新上五島町ほか
写真提供=NHK