『舞いあがれ!』福原遥がチームプレイの原動力に 新規事業に挑戦する浩太に一抹の不安

『舞いあがれ!』舞がチームプレイの原動力に

 航空学校の同期は良くも悪くもドライで、同じように空への夢を追う「なにわバードマン」と雰囲気が違うのは、パイロットになるという具体的な目標があるからだろう。周囲の人間は仲間であると同時にライバルで、ルームメイトを除けばプライベートでの接点もない。ある意味、柏木のような態度が普通だ。同期を思いやる舞の姿勢は、周囲を気遣う性格や仲間と一つのものを作り上げる経験を通して培われたもので、舞の姿にチームのメンバーも次第に感化されていく。最悪の出会いをした柏木も、舞への突き放すような言い方は変わらないが、おせっかいで発する毒舌には以前よりも感情が込められていて、柏木にとって舞がただの他人ではなくなっていることが伝わってきた。

 第39話では、父・浩太(高橋克典)との会話も交わされた。自動車向け部品を受注すべきか悩む浩太に、舞は「かっこええな」「やりたいことやるお父ちゃん、私はええと思うよ」と背中を押す。パイロット挑戦を認めたことで、舞と浩太、めぐみ(永作博美)の親子のステージは上がり、悩みを相談する関係に変わっていた。気になるのはお金のことだ。新たに人を雇い、設備投資をするために必要な資金は約3億。町工場の中小企業にとって大金である。めぐみや舞に話す前に浩太は銀行に行く算段をつけていて、若干の見切り発車感がある。「ここが勝負所」と言う浩太はどこか不安そうだ。これが災厄を招かなければよいのだが。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月、目黒蓮、長濱ねる、高杉真宙、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、吉谷彩子、鈴木浩介、高畑淳子ほか
作:桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太
音楽:富貴晴美
主題歌:back number 「アイラブユー」
制作統括:熊野律時、管原浩
プロデューサー:上杉忠嗣
演出:田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐ほか
主なロケ予定地:東大阪市、長崎県五島市、新上五島町ほか
写真提供=NHK

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