『舞いあがれ!』山下美月&赤楚衛二が生む、幼なじみの安心感 舞には新たな夢が芽生える

『舞いあがれ!』舞に芽生えたパイロットの夢

 スワン号の奇跡から数カ月。『舞いあがれ!』(NHK総合)第29話では刈谷(高杉真宙)や鶴田(足立英)たち3回生が引退し、選考の結果、来年度のパイロットには由良(吉谷彩子)が選ばれた。舞(福原遥)は新機アイビス号の作業に携わるが、脳裏に浮かぶのはスワン号で琵琶湖の空を飛んだ記憶だった。

 舞の中に芽生えた空への憧れ。「幸せでした。空飛んでる時、このために生まれてきたんちゃうか思たんです」と話す舞は満ち足りた表情をしていて、至福の経験だったことがわかる。実際は狭い機内で汗だくになってペダルを漕いでいたわけだが、夢中になって空を飛んだ束の間、舞は自分の居場所を見出したのだろう。

 舞の思いは、飛行機のパイロットとして空を飛ぶ夢に変わっていった。パイロットになる方法はいくつかあり、航空学校に入るのはその一つ。由良との会話で自分が身長制限をクリアしていることを知った舞は、航空学校の受験勉強を始める。しかし、両親にはそのことを切り出せずにいた。

 舞の躊躇は、自らの意志で進路を選択する時に多くの人が感じるものだ。本当にやっていいのだろうか? 自分のわがままではないのか? 周囲の意向を慮って生きてきた人ほど心理的なブレーキがかかり、隠しごとをするような後ろめたさを感じてしまう。また、親を失望させたくないという思いもある。それでもこの道が正しいことは、直感と空を飛んだ時の記憶が教えてくれている。もうあとには戻れない。

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