ナムグン・ミン主演ドラマにハズレなし 『わずか1000ウォンの弁護士』など主演作3選
『ストーブリーグ』(2020年)
野球の知識はないものの、これまで数多くのスポーツチームを優勝に導いてきた“優勝請負人”のゼネラルマネージャーが、万年最下位のプロ野球チームを立て直していくお仕事ドラマ。ナムグン・ミン演じるペク・スンスが、選手やフロント陣と対立しながらも、腐った組織にメスを入れ、型破りな改革を進めていく。本作は、よくあるプレイ中心のスポ根ドラマではなく、運営チーム、分析チームといった“裏方スタッフ”たちの奮闘を描いた「組織改革物語」だ。経費の削減、上層部からの圧など、スポーツ団の運営のみならず、社会の不条理が詰めこまれ、組織で働く人なら思わず共感してしまうはずだ。『愛の不時着』、『キングダム2』など並み居る競合を抑え、2020年「百想芸術大賞」で「作品賞」を受賞した、胸を熱くしてくれる名作だ。
常に冷徹で論理的にチームを分析しながらも、人間味溢れるペク・スンス団長を演じたナムグン・ミン。他人と距離を置く人物だけに、熱い情熱と愛情をちらっとのぞかせる彼の繊細な感情表現が光る。本音を表さない彼が後半見せる涙のシーンはレジェンドだ。『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で、シンドロームを巻き起こしたパク・ウンビンが、球団のために奔走する、男勝りな運営チーム長を演じているのも見どころだ。
『ドクター・プリズナー』(2019年)
大学病院に勤務する、心優しい外科医ナ・イジェが、ある日病院から追い出され、壮大な復讐の為に、刑務所の医師=ドクター・プリズナーになるというメディカルサスペンスドラマ。目的のために手段を選ばない“ダークヒーロー”となったイジェと、ソン・ミンシク(キム・ビョンチョル)、イ・ジェジュン(チェ・ウォニョン)という2人の悪人の、“刑務所の王”を巡る対戦と陰謀の物語がスピーディに展開していく。本来人を救う医師が、犯罪を犯して刑務所にいる人々を外に出すため、「病気を作る」という素材が斬新で面白い。天才外科医が繰り広げる頭脳戦、心理戦に巧みに翻弄され、反転に次ぐ反転に毎話すっかり騙されてしまう。甘ったるさゼロの痛快復讐劇のため、『梨泰院クラス』や、『被告人』にハマった人ならきっとドストライクな作品のはずだ。
ナムグン・ミンが演じるのは、ある悲しみと怒りから復讐心を燃やすイジェ。スーツや白衣でバシッとキメ、血まみれで狂気の表情を浮かべている姿は、クレバーな頭脳も相まって、セクシーな魅力を放つ。危険なオーラを放ちながらも、切なさと孤独という感情表現を逃さない繊細な演技力が光る。いかなる権力や脅威にも屈せず、復讐を成し遂げていく彼の姿にスカッっとすると同時に、あまりのかっこよさに沼入り間違いなしの一作だ。
■配信情報
『わずか1000ウォンの弁護士』(全14話)
ディズニープラスにて、毎週金曜・土曜に配信
脚本:チェ・スジン、チェ・チャンファン
演出:キム・ジェヒョン、シン・ジュンフン
出演:ナムグン・ミン、キム・ジウン、パク・ジヌ
(写真はSBS公式サイトより)