『美男堂の事件手帳』の熱演光るソ・イングク “キスの神”が見せてきた“千の顔”

『美男堂の事件手帳』の熱演光るソ・イングク

 「キスの神様ソ・イングク」。数々の美しいキスシーンを披露し、今韓国で最も美しいキスをする男とも言われる彼だが、もうひとつ彼の名を彩る修飾語があるとすれば、「千の顔を持つ」俳優だろうか。それだけ彼はこれまでの作品で変幻自在に演技変身を遂げ、常に新たな一面を視聴者に見せてきた。

 オーディション番組『スーパースターK』の初代優勝者であるソ・イングクは、ドラマ『ラブレイン』の助演で俳優の道に入った。彼が大ブレイクを果たしたのが、監督シン・ウォンホ×脚本イ・ウジョンの“伝説の始まり”でもあり、『賢い医師生活』の成功に続いていくドラマ『応答せよ1997』だ。

 『応答せよ1997』や『賢い医師生活』シリーズのときめきポイントといえば、やはり“リアル感”だが、その全ての始まりはソ・イングクがリアルに描き出した、ヒロインのシウォン(チョン・ウンジ)の幼なじみユンジェだろう。シウォンの親友に告白されたユンジェが、子犬のような訴える瞳でシウォンに放った「マンナジマッカ?(断ろうか?)」という破壊力抜群のセリフをはじめ、歴史に残る鬼キュン名場面を連発させ、「“応7(ウンチル)廃人”」という言葉まで生み出した。その後も、数々の名キスシーンを生み出した『ナイショの恋していいですか!?』、『王の顔』、『君を憶えてる』と、ラブコメ、時代劇、犯罪ものなどの様々なジャンルを、多彩な演技力を武器に大胆に飛び越えていく。

 『ショッピング王ルイ』では、クルクル表情を変える子犬系男子を魅力いっぱいに演じたかと思えば、『元カレは天才詐欺師〜38師機動隊〜』では、チンピラから市の職員、胡散臭い社長まで自由自在に変身演技を繰り返す。彼がアドリブを交えて演説を繰り広げたシーンでは、共演した俳優たちさえあまりの“神演技”に感嘆の声を漏らしたほどだ。(※)同じ年に放送されたこの2つの作品は、彼の表現力のバリエーションの広さを存分に見せつけた作品だろう。短期間での“振り幅バケモノ”っぷりにひたすら圧倒されてしまう。

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