『霊媒探偵・城塚翡翠』大切なものを奪われた清原果耶 瀬戸康史に“意味深”な一言を呟く

『霊媒探偵・城塚翡翠』原作を忠実に再現

 どうしてまた、翡翠(清原果耶)から大切なものを奪っていくのだろう。『霊媒探偵・城塚翡翠』(日本テレビ系)第3話。翡翠は、新しくできた“友達”をシリアルキラーに奪われてしまう。

「すべて、私の呪われた血が原因なんです。私が、殺されればよかった」

 そう涙を流す翡翠は、これまでどれだけの葛藤を抱いて生きてきたのだろう。友達を作りたくても、自分のせいで不幸になったら……と思うと、勇気を出すことができなかったのかもしれない。本当は、友達とメッセージのやり取りをしたり、一緒にバーベキューをしてみたり。やりたいことが、たくさんあったはずなのに。

 今回、翡翠にできた友達は、「学校で起きている連続殺人事件を解決してほしい」と依頼をしてきた女子高生・菜月(當真あみ)。天真爛漫で、ニコニコしていて。ガードを固めてしまいがちな翡翠の心にも、彼女はスルリと入り込んでいく。菜月に、「トイカメラを貸すから、一緒に撮影会をしましょう!」と言われた時の、翡翠のうれしそうな表情。真(小芝風花)も、その姿を微笑ましく眺めていた。

 しかし、その菜月が例の連続殺人犯に殺されてしまう。合計3人の女子高生を殺害したのは、菜月と同じ高校に通う藁科(長澤樹)。殺人を犯した理由を、「気になったから。かわいい女の子でも、首を絞めたら、すごい顔をするのかなって」とあっけらかんと話す不気味さ。また、死体を“作品”と呼び、「絵になる」とまで言ってのけるところも恐ろしい。

 殺された女子高生たちは、みんな希望に満ちていたはずだ。ひとりの女の子は、憧れの先輩に恋をしていた。もうひとりは、トイカメラが好きで、写真を突き詰めようとしていた。そして、菜月は翡翠と一緒に撮影会をする日を待ち望んでいたはずだ。写真部の友人たちとも、もっとたくさんの思い出を作りたかったにちがいない。それなのに、彼女たちの希望は、すべて藁科によって奪われてしまった。

 香月(瀬戸康史)は、「降霊の時、菜月さんは苦しみから解放されたように微笑んでいました。だから、天国はあるのかもしれません」と言っていたが、果たしてそうだろうか。菜月は、もっと生きて、やりたいことがあったのではないだろうか。いつもは香月の励ましに「そうですね」と返す翡翠が、今回はうつむいたまま肯定をしなかった。きっと彼女も、菜月の無念に思いを馳せていたのだろう。

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