『鎌倉殿の13人』トークSPから感じた制作チームの絆 大泉洋の“代役”も明かされる

『鎌倉殿の13人』トークSPから感じた絆

 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合)最終章に突入するのを前に、撮影秘話たっぷりのトークスペシャル番組『鎌倉殿の13人 応援感謝!ウラ話トークSP~そしてクライマックスへ~』が10月9日に放送された。

 本作の主人公は鎌倉幕府初代将軍・源頼朝(大泉洋)にすべてを学び、二代目執権として幕府を率いた北条義時(小栗旬)。頼朝第一の側近となった義時の生き様、そして武士たちの思惑が交錯する権力争いが描かれる。

 今回のスペシャル番組では、今注目のTVプロデューサー・佐久間宣行が司会進行を務め、役者陣がこれまでの撮影を振り返るスペシャルトークや驚きの舞台裏映像、本作の脚本を手掛けた三谷幸喜による創作秘話などが放送された。

 冒頭、スタジオに集まった義時役の小栗、政子役の小池栄子、時政役の坂東彌十郎、泰時役の坂口健太郎を見て、佐久間が「先週の放送を観てからだと、逆に、この4ショット泣きそうです」とコメント。すると早速、小栗の口から「後にも先にもクランクアップであんなに泣かれた人は初めて」と彌十郎に関するウラ話が語られた。小栗が「赤ちゃんみたいに泣いていました」と言うと「こうやって『うわ〜!』っつってね」と小池が再現し、スタジオは和気あいあいとした雰囲気に包まれた。彌十郎は自身のクランクアップの様子について「自分でどうなっちゃったか分かんないくらい感動した……ですね」と語っていたが、北条ファミリーの面々が親しげに語らう姿からも、現場の確かな結束力が伝わってくる。

 なお、この日撮影後にスタジオへ駆けつけたという小栗と坂口の「鶴岡八幡宮の大階段での撮影」「雪が降っております」というコメントに、SNS上では「八幡宮の大階段で雪といえばあれしかないじゃない」「鶴岡八幡宮の大階段の雪の日という不穏な言葉に震える」など、今後描かれる歴史上の場面を察した視聴者の戦々恐々とした声があがっていた。

 スタジオには北条家が追討した比企能員を演じた佐藤二朗が加わり、佐久間と三谷の対談やコロナ禍での撮影について語られた。小栗は本番直前までマスクをするといったコロナ禍の撮影ならではの難しさを感じつつも、「最近では表情が見えないテストから初めて本番で表情が見えることで違うリアクションがとれる」「今となっては、逆に楽しめるようになってきてるのかもしれないですね」と語っており、撮影現場で行われる役者同士のセッションを楽しんでいるようだった。

 頼朝を演じた大泉が語った、まだ知られていない撮影秘話には驚かされる。第23回で頼朝が比奈(堀田真由)の寝室を訪ねる場面の収録時、大泉は体調不良で欠席。チーフ演出の吉田照幸が小栗に声をかけ、小栗が頼朝の代役を務めたという。大泉は「あいつ何でそんな似てんのってぐらい俺の歩き方が似てんだよね」とコメント。メイキングを観ると、小栗が頼朝の衣装を着て演じていることが分かるのだが、本編で見せた動きも、スタジオで頼朝を演じる大泉の特徴を再現する小栗の動きも“大泉頼朝”そのもので、小栗の技量の高さに驚愕する。

 番組内では、上総広常を演じた佐藤浩市や源義経を演じた菅田将暉もメッセージを寄せた。大河では役者陣の年齢の幅が広いという特徴のみならず、小劇場や映画、歌舞伎、お笑い、ミュージカルとさまざまな出自の俳優たちとの共演が特徴的だ。物語の展開上、惜しまれつつも退場した役者陣は少なくないが、スタジオの面々、メッセージを寄せた大泉らのコメントを聞く限り、役者陣がセッションするように1つの物語に向かって演じていくことの楽しさが十二分に伝わってくる。

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