『鎌倉殿の13人』中川大志、大河史に刻まれた名演 あまりにも武士だった畠山重忠の最期

大河史に刻まれた中川大志の名演

 重忠の強い思いは、中川の演技だけでなく、その思いを受け取った義時を演じる小栗の演技からも感じ取れる。重忠にとどめを刺されかけた義時の力の抜けた表情と震える口元から、重忠の強さが窺える。

 義時は、重忠の思いをしかと受け止めた。重忠の首桶を抱え、時政の前へ出た義時は、重忠の首から目を背ける時政に声を荒らげる。時政を政から退かせるため動き出した義時に、政子は「小四郎、恐ろしい人になりましたね」と声をかけるが、義時の礎が頼朝(大泉洋)であることに変わりはない。鎌倉のために鬼になる覚悟を、義時はとうに決めている。「小四郎、わしをはめたな」と詰め寄る時政に、義時は微塵も態度を崩さない。その一貫した姿勢は、時政を高笑いさせ、「見事じゃ!」と言わしめるほどのものだった。

 第36回は御家人たちからの信頼が揺らぎ、追い詰められた時政が怒りをあらわにする姿で幕を閉じた。北条親子の確執と政に関わることになった政子の今後がどう描かれるのか気になるところだ。

■放送情報
『鎌倉殿の13人』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:小栗旬
脚本:三谷幸喜
制作統括:清水拓哉、尾崎裕和
演出:吉田照幸、末永創、保坂慶太、安藤大佑
プロデューサー:長谷知記、大越大士、吉岡和彦、川口俊介
写真提供=NHK

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる