『家庭教師のトラコ』母親が残した一通の手紙 3人の“母親”の腕に抱かれ咽び泣く橋本愛
9月14日放送のドラマ『家庭教師のトラコ』(日本テレビ系)第9話は、最終回前のセミファイナル。物語全体がどん底へと転落していった前回から、徐々に光が差し込んでいくような希望に満ちた回だ。
トラコ(橋本愛)は7才の時に生き別れた母・香苗と再会するチャンスを掴む。香苗は心臓の病気を患っており、そう長くはない状態。連絡をしてきた福多(中村蒼)やトラコと香苗の人生に運命的に関わりを持っていた真希(美村里江)、智代(板谷由夏)、里美(鈴木保奈美)の3人の後押しもあり、トラコは母親に会いに行く決心を固める。
しかし、トラコは一歩遅く、母親の死に目に会うことはできなかった。看護師から渡されたのはトラコに宛てた一通の手紙。そこに書かれてあったのは、娘を置いて家を出ていった理由と父の死の真相、トラコへの謝罪と後悔の念、そして文面は「ごめんね、とらこ。でも、あたしは」で力尽きてしまっていた。
母は最後に自分に何を伝えたかったのかーー。その思いを聞けぬまま、トラコは母との思い出の詰まった智代の営む定食屋「万福亭」へ。まるで本当の母親のようにトラコのことを心配する真希、智代、里美を目の前にして、トラコは悲しみをこらえ、気丈に振る舞って見せる。「だって『しょうがない』じゃないですか。もう二度と戻って来ないんだし。何か言い訳がましい手紙もらったけど、途中で私のこと本当に『愛』してたかどうかも『分かんない』し。本当、『ツイてない』っていうか。あ〜でも、『心配ない』ですから、全然平気なんで。っていうか、『すごくない』ですか? こんな時でもお腹空いちゃう私って」と、これまで各話で登場してきたトラコの嫌いな言葉6つがオンパレードで使われている。
トラコは心を閉ざし、自分を偽って生きてきた。それは実の母親に置き去りにされ、唯一信じていた幼なじみの福多にまでも裏切られていたことから。そんな20年以上抱え込んだ思いを、真希、智代、里美は全て受け止めようとする。初めて吐き出す母への思い。「なんで、私を置いて行ったんだよ。ずっと待ってたのに。私が今までどんだけつらかったと思ってんだよ。どんだけ会いたかったと思ってんだよ! 何回あんたの夢を見たと思ってんだよ。どんだけ待ったと思ってんだよ! 『ごめんね』って、『お母さんが悪かった』って、『今までよく頑張った』って、抱きしめてほしかったんだよ」