鈴木保奈美×板谷由夏×美村里江が語る、三者三様の家庭の空気感と“理想の母親”について

『家庭教師のトラコ』母親役インタビュー

 毎週水曜22時から日本テレビ系で放送中の『家庭教師のトラコ』。主人公トラコを演じる橋本愛が毎話新しいコスプレを披露することや、三者三様の家庭の“正しいお金の使いかた”の問題にトラコが家庭教師として問題を解決していくストーリーが話題だ。そんな3つの家庭で母親役を演じている鈴木保奈美、板谷由夏、美村里江の3名に、それぞれ個性の強いキャラクターの演技を通じて共感すること、本作で強調して描かれる“母親像”について何を思うのか、また、視聴者と同じくまだ最後の展開を知らないいま、各家庭はこれからどういうなっていくと考えているか、日本テレビの大平太プロデューサーも交えて話を聞いた。

ーーそれぞれの役の家庭ではどんな雰囲気で撮影をされていますか?

鈴木保奈美(以下、鈴木):上原家は第6話がアクション大会でした。夫の矢島さん(矢島健一)もノリノリで(笑)。結構遅い時間までかかりましたけど、いかに修羅場を表現するか、みんなで力を合わせて頑張りました。

板谷由夏(以下、板谷):うちはガンも治りまして今ハッピーなんですけど、高志を演じる阿久津(慶人)くんも撮影に慣れてきて、彼らしさが出てきたかなっていう感じです。これまで役を通してじゃないとお喋りができなかったんですけど、最近は阿久津くん自身がどんどん心を開いてくれてる感じがしていて、楽しく朗らかに撮影をしています。

美村里江(以下、美村):中村家は、柚ちゃん(加藤柚凪)と細田くん(細田善彦)と仲良く楽しくやってます。撮影でカットがかかると楽しくわいわいしているんですけど、本番になると私が急にムキって怒る感じで(笑)。それでまたカットがかかると「こんな人嫌だ〜!」ってみんなで笑ったりしています。そんなふうにしてリフレッシュさせていただいているので、本番でぐっと踏ん張れたなって感じています。

ーー家庭ごとで撮影をしていたので、放送で初めて他の家庭の様子を見たと思うのですが、それぞれどう感じましたか?

鈴木:中村家は本当に楽しそうで、明るくて楽しい感じでいいなと思いました。下山家は高志くんがしっかりしていますし、我が家(上原家)にはない、温かな絆がいつもうらやましいなと感じています。

ーー第7話で初めて親子6人が集まりますね。

鈴木:新鮮でしたね。子供たち3人が集まるのがそれまでなかったので。

美村:いつもと違うというか、リラックスした感じが出ていました。

板谷:確かにリラックスしてた!

美村:楽しそうにしてたので、見てて嬉しくなりました。いつも頑張ってくれてるけど、やっぱり同世代にしか見せない可愛い感じが出ていて、素敵でした。

板谷:全然違う顔してたね。

ーー子供たち3人は誰が中心に話している感じだったんですか?

板谷:知恵(加藤柚凪)じゃない?

美村:確かに。でもお兄ちゃん2人が優しくしてくれてるかな。

鈴木:阿久津くんはいつもと違うひょうきんな一面が出てたよね。

美村:ですよね、楽しそうだった。

ーーそれぞれのご家庭でまったく異なるキャラクターのトラコの姿を見られていると思いますが、どう感じていますか?

鈴木:上原家では息子をうまくコントロールしてくれてるかな。思ったより魔性の女性としての害はなくて、上手に家に馴染んでくださってるなと思います。

板谷:たぶんどの家庭にもすごく馴染んでますよ。

鈴木:そうそう、うちにも馴染んでるし中村家にも馴染んでるし、キャラが変わっても違和感が全くないです。それにとても頼りがいがあるので、先生には何でも話せて、あてにできる感じがあります。

美村:最初はトラコ先生に厳しくされたり、肩透かしなことをされて。でも途中で「いいんじゃない?」って言われると、すごい「やった!」みたいな感じもするというか、母親としてドMになりつつあって(笑)。それはやっぱ(橋本)愛ちゃんが持ってる雰囲気と、その独特な“引力”のおかげですよね。セリフとかが少なくても、この人に良く思われたいと思ってしまう。

板谷:そういうのはあるかも、褒められたいってなる。私も「いいんじゃない?」って言われましてね、泣けました。優しい顔をしてるんですよね。だからこれは熱血先生なのか、それとも素のトラコなのかってずっと考えてて。

美村:ちょっと混じってましたね。

板谷:なので、そのトラコの優しさを感じているから、今日の撮影(第8話)のときのトラコの顔は切ないというか、かわいそうに感じました。

鈴木:第8話ではトラコの素が見えるんですよ。なんか、痛々しいなって。

板谷:ハグしなきゃ! って感じました。

ーーお3方が演じられるキャラクターで共感する部分はありますか?

美村:共感か……。なかなかデフォルメされたキャラクターですからね(笑)。

板谷:やっぱり、どのお母さんも子供を1番に考えてるところは大きいですね。

鈴木:子供を信じてますよね。

美村:私が演じる真希は、ちょっと毒親っぽいから知恵ちゃんは早く逃げた方がいいんじゃないか、なんて思ってます(笑)。たぶん、何回反省しても繰り返しちゃう人な気がしていて。知恵の成長に合わせて頑張って真希も成長しないと、置いてきぼりになっちゃうどころか、追い抜かされて足を引っ張っちゃうんじゃないかと、ちょっと怖いです。自分が母になったときは気をつけたいなって思います。

鈴木:うちはもう守(細田佳央太)がしっかりしてるので、私が演じる里美さんのちょっとふわふわしたところを守がしっかりして、本当に守ってくれています。実際に第6話のラストで「今、あんたが守ってくれてるんだね」っていうセリフもあって。こんなふわふわした母親でもちゃんと息子は育つんだ、って感心しました。

板谷:やっぱり頼った方が楽ですよね。

美村:真希さんは、たぶんその視点がないんですよ。「私が何とかする!」ってコントロールしようとしてるから、それがちょっと怖い感じがするんですね。

板谷:なるほど。うちも高志に任せようと思ってるかな。

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